<東スポ記事は捏造ではない>東京スポーツの社是は「ウラを取ってはいけない」?


柴川淳一[郷土史家]

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昨今の多発するスキャンダルは、個々の事件は相互になんの関連もないが、毎日、新しい事象が報道される。こういう状況を「シンクロニシティ」(偶然の一致)とも呼ぶが、現代社会の特徴であるらしい。

Yahoo!ニュースを見ていると、大きな事件では事の経過や関係者の談話が時々刻々と流れてくる。ネットの無い時代には、もっぱら、スポーツ新聞と週刊誌が有名人やスポーツ選手の記事を書いていた。

中でも筆者は「東京スポーツ」のナンセンス記事には楽しませてもらった。関西、中国、四国地方では「大阪スポーツ」と名前を変え、九州、山口、広島地方では「九州スポーツ」と名乗る、しかし、紙面内容は全く同じといったところも笑える。

また、見出しのタイトルは白眉で、キオスクやコンビニでそのタイトルを見ただけで引ったくるようにして購入して貪るように読んだこともある。

今でも忘れない見出しタイトルは「大仁田死亡!!」と「UFOを見た!!」である。駅の売店などでは新聞は四つに折り畳んで立てられている。その状態で、見出しの大活字を見た瞬間、

  • 「大仁田選手が死亡した!!」
  • 「UFOがどこかで発見された!!」

と思い込んでしまう。しかし、折り畳まれた新聞を広げて見ると、

  • 「大仁田死亡!! 記事が出ていた」
  • 「UFOを見た!! 事があるか」

と続けて印刷されていた。「東京スポーツ」の一面記事は殆んど一年中、こういう記事ばかりだった。記事と書いたが、実態はナンセンス読み物である。大したセンスである。

勿論、こういうギャグみたいな記事を受け入れられない人もいるだろう。捏造、作文、でっち上げと思う人もいるだろう。だから、「東京スポーツ」はそういうアングルやフェイクを楽しむ事の出来ない読者には読まれない。

「東京スポーツ」が力道山時代からプロレス記事をメインに掲載していた所以である。今日も赤と青の大活字が一面記事の見出しで暴れている。

一社くらいこんなパロディみたいな記事を書くスポーツ新聞があっても良いのではないだろうか。

 

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柴川淳一

柴川淳一。郷土史家。1954年香川県生まれ。明治大学卒業後、地方銀行に37年間奉職。