<どう訳す?「ウルトラ・アタック・ネオ」>CMほどバラエティに富んでいる映像作品ジャンルはない


水留章[(株)ドリマックス・テレビジョン 代表取締役社長]

***

コマーシャル(CM)にはずいぶんといろんな種類がある。

長さはテレビの場合普通15秒か30秒。一社提供のスペシャル番組ならば、その為に作成した2分とか3分なんてものだってある。ラジオには5秒コマーシャルだってある。

中身は千差万別。 同じジャンルの映像作品でここまでバラエティに富んでいるのは珍しいと思う。チラシから短編映画まで様々だ。 長さ以外には、特に規制はないと思う。勿論世間の道徳から外れなければ、またサブリミナルなどと言う姑息な手段を用いなければ、と言う条件はある。

最近のコマーシャルはとてもカッコいいものも多い。

数年前見たSoftbankのCMで、SMAPがハリウッドのスターのように音楽にのせて外国のホテルの素敵な敷地を闊歩するのをよく覚えている。PVかとまごうが如き素敵な出来栄えである。 でも、商品が前面に出て、商品名が分かる、 覚えられる( 実は覚えさせられているのだが、)CMが、僕はCMらしくて好きだ。

小さい頃にあった名作CM。

 ♫牛〜乳〜石っけん、良い石鹸!

 ♫輪っ輪っ輪っぁ〜輪が三つ…ミツワ石鹸!

 ♫ワタナベのジュースの素ですもう一杯っ!

今ではなかなかお目にかかれない商品だが、しっかり脳裏に焼き付いている。体に入っている。コンビニにあれば思わず買ってしまう。そんなCMだ。

そんなことを考えてテレビを見ていると、 「アタック」と言う洗剤のCMが気になった。前半は今風に、洗濯を含んだ太陽溢れる日常生活を描いたコマーシャル。最後に、商品と商品名が出る。洗剤って昔と違い随分小さくなりスマートな感じだなぁと思っていると、商品名が耳に残ってしまった。

 「ウルトラ」「アタック」「ネオ」

形容詞が二つ、しかも「ネオ」は名詞の後に来ている。 英語の文法ではハズレだ。訳してはいけないと思いつつ訳してしまう。

 「最新版特別総攻撃」

自衛隊の演習マニュアルか?と見間違えてしまうほどだ。商品のネーミングは日常言語とは別な地平に生きている名付けだが、無意識のうちに、我々の生活に突き刺さっているはずだと言うことだ。

 

【あわせて読みたい】

The following two tabs change content below.

水留章

水留章(みずとめ・あきら)1954年神奈川県出身。大学時代に野沢協氏の薫陶を受け、偉大な知性の存在に圧倒される。TBS入社後、制作で居作昌果氏に指導受け、仕事の肝要を教わる。その後編成、営業、人事、スポーツを経験、現在 (株)ドリマックス・テレビジョン代表。趣味…クロール、宝物…Gibson J45