<全力疾走のキムタクに共感>「A LIFE ~愛しき人~」を入院経験者として支持


柴川淳一[著述業]

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木村拓哉主演のTBSドラマ『A LIFE~愛しき人~』の第5回目(2月12日)のゲストは武田鉄矢であった。歌手、俳優として名を成したベテランの演技はさすがだと感心させられた。

武田鉄矢氏は自身が心臓病の経験者であるという。聞くところに寄ると自覚症状の無いまま検査で異常が発見され入院、手術と言う流れであったらしい。担当のドクターは素晴らしい人物だったようだ。

武田鉄矢氏は、「このドクターなら自分の命を預けられる。もし、失敗しても先生に感謝こそすれ、恨んだり後悔はしない」と腹を括ったそうだ。羨ましい。なんという信頼関係だろう。武田鉄矢氏は述懐しているが、ほとんど死を覚悟しての開胸手術だったようだが、オペ後の素晴らしい回復を拝見するにつけ喜ばしい。

一方で、私事になるが、筆者の場合は最悪だった。

なんと、医者は確率を論じたのだ。心臓僧帽弁膜症弁置換手術の失敗例など、ごく稀で1000分の1か2という確率でほとんど起こり得ないと言い切ったものだ。しかし、結果は、オペ後、その1000人に1人か2人の悲運に筆者自身が見舞われることになる。

【参考】<木村拓哉主演>ドラマ「ALIFE ~愛しき人~」は医療ドラマの傑作

オペ後は不定愁訴が続いた。かかりつけのドクターが先の病院に猛抗議してくれたおかげで再入院、緊急手術の末、どうにか救われた。先の手術の失敗で心臓弁が壊れて血液が逆流していたのだ。本編のクランケと同じだ。

そのオペミスが、医者に取っては1000分の1か2の極めて「稀な事故」であっても、患者に取っては「たったひとつの命」(A LIFE)なのだ。武田鉄矢氏の「手術が失敗でもこのドクターのオペなら本望だ」と言う思いは凄いが、事前検査と説明責任を尽くし揺るぎない信頼関係を構築の上、手術を成功に導いた医師も立派だ。

さて、その名優・武田鉄矢は今回、副院長・浅野忠信と外科部長・及川光博の恩師にして、裁かれる医学界の権威と言う役どころ。息をつかせぬ展開でドラマはクライマックスから大団円を迎える。

キムタクは「欺瞞」も「虚偽」も許さない。吠える。「患者は自分の身体の中で何が起こっているか知りたがっている!」キムタク演じる沖田の「医師の本分」は事ここに至ってもいささかもぶれない。沖田は全力疾走だ。

彼は、いよいよ「~愛しい人~」の命を救う事が出来るのか? 元患者の筆者は、一視聴者として、沖田医師の生きざまとキムタクの演技に期待する。

 

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柴川淳一

柴川淳一。郷土史家。1954年香川県生まれ。明治大学卒業後、地方銀行に37年間奉職。