「為せば成る、為さねば成らぬ」安倍昭恵氏証人喚問 – 植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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何かを「変えよう」とすることは容易だが、何かを「変える」ことは容易でない。何かを「変える」ことは、「成し遂げること」であり、「成し遂げる」ためには、いくつもの要素が必要だ。

「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」は上杉鷹山の言葉だが、「成らない」のは「為さぬ」が原因なのだ。

「アベ友事案」第一弾の「森友事案」これが「成らぬ」で終わるなら、その理由は「為さぬ」にあるということになる。「辺野古に基地を造らせない」「原発を稼働させない」さまざまな目標があるが、大事なことは「やり抜くこと」「やり切ること」である。

国有地が不当に低い価格で払い下げられた。財務省はあらゆる資料を廃棄したと言いながら、地下埋設物の処理費用が大きくなるとの試算数値だけはあったかのように主張する。こんな不自然なことはない。

財務省は法外な値引きの根拠だけを「仕込んだ」可能性がある。森友学園問題の核心は、安倍昭恵氏が新設小学校の名誉校長に就任し、安倍昭恵氏が行政当局に口利きをして、森友学園の要望がほぼ「満額回答」になったという事案であると思われる。

「満額」どころか、「200%」、「300%」回答であった可能性が高い。これこそ、「政治の私物化」「政治の腐敗」そのものである。与党が国会招致に背を向けていたが、籠池泰典氏が首相か100万円の寄付を受領したと発言したとたんに、「首相に対する侮辱だ」として、突然籠池氏を証人喚問することが決定された。

その籠池氏が証人喚問で安倍昭恵氏による「口利き」の事実を証言した。安倍政権にとって証人喚問実施は大きな誤算になった。安倍政権側が「証人喚問」の扉を開いたのであるから、この機に乗じて、一気呵成に攻勢をかけるべき局面である。

辻元清美議員に対する証人喚問が求められるなら、まさに「渡りに船」である。安倍昭恵氏の証人喚問を実現するため、すべての力を結集するべきだ。すべての審議を拒否するなどの強い姿勢を示すべきだ。

「為さねば成らぬ」であり、「成らぬは人の為さぬなりけり」なのだ。

野党、とりわけ民進党の対応がすべての鍵を握る。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。