仏大統領選で求められるアモン票のメランションへの統合 – 植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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現状を打開するための最大の方策は、「民主主義の活用」であると主張してきた。「暴政を排除するために最も有効な手法は「民主主義の活用」だ」(http://mediagong.jp/?p=20504

23日に投票日を迎えるフランス大統領選で同じ発言を見つけた。フランス大統領選候補、ジャン・リュック・メランションの発言である。

「どんな問題でも解決策はある。それは民主主義だ。」(https://www.aab-tv.co.jp/news/ann_shownews.php?id=000098524&cat=4

過去30年間、世界の政治に吹き荒れてきた嵐は、大資本の利益のための政治だった。ネオ・リベラリズムとも呼ばれる。市場原理に基軸を置く政治経済運営は、大資本の利益に沿う政策運営である。結果として、際限のない格差拡大と、新しい貧困問題が生み出されてきた。

市場原理を基軸にして資本の利益の極大化を図る。世界統一市場を形成し、最低コストによる最大利益を実現する。この運動を推進してきたのは、グローバルな活動を展開する巨大資本である。巨大資本が世界統一市場を形成して、利益の極大化を図る運動をグローバリズムと呼ぶ。

資本の利益は極大化されるが、その一方で、労働者の所得は減少し、市民の生活が破壊される。同時に巨大資本は意味のない戦争を創作し、多くの犠牲者と難民を生み出してきた。下流に押し流された市民と戦争によって生み出された難民が衝突する状況が生み出されて、両者が対立する図式も創作されてきた。

市民が大資本に向かって結束して連帯する状況を妨害するために、市民のなかに対立と憎悪を生み出す仕掛けが埋め込まれてきたとも言える。グローバリズムを推進する勢力の策略を見抜き、市民が連帯を実現することが求められている。

市民が連帯して大資本に立ち向かえば、必ず市民の側が勝利する。それが、「民主主義」の力である。「分断」されずに「連帯」することこそ、勝利の条件である。

フランス大統領選では急進左派のメランション候補が支持を急速に伸ばしている。フランスの市民が考えるべきことは、社会党候補のアモン氏の支持者がアモン氏への投票をメランション氏に振り替えることである。

アモン氏支持の投票がメランション氏に振り替えられれば、メランション氏が確実に決選投票に進む。フランス政治を劇的に変革するチャンスが到来しているのである。

メランション氏が述べた「民主主義による解決」を実現するには、フランスの主権者、市民が、選挙制度を理解して、「大同団結」=「連帯」することである。「民主主義」の弱点、落とし穴は「分断」にある。

フランス大統領選でのフランス市民の対応が注目される。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。