<新大統領に文在寅氏>韓国大統領選は民主主義の勝利である -植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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韓国大統領選で「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏が新大統領に選出された。

このことについて、反日候補者が新大統領に選出されたと報道するメディアがあるが上品な報道ではない。それぞれの候補にそれぞれの主張があり、韓国の主権者がその主張を吟味して判断を下した結果だ。日本に対して厳しい対応を示す可能性はあるだろうが、それはひとつの考え方、思想、哲学に基づくもので、頭ごなしに批判する姿勢は正しくない。

米国民がトランプ氏を大統領に選出したことについてもメディアは批判一色だったが、これも米国民の判断に対する冒とく、侮辱である。英国民がEU離脱を判断したときもそうだった。世紀の誤判断で金融危機が到来するのは確実だとメディアは騒ぎ立てた。

英国民の判断から1年も経過していないが、英国の株価指数は史上最高値を更新。英国経済は活況を呈している。米国大統領選、英国国民投票などについて、ポピュリズムの台頭=大衆迎合主義の台頭などの言葉が氾濫したが、事実誤認も甚だしい。

いずれの結果も民主主義の神聖な審判の結果だ。「大衆迎合主義」という言葉は、大衆ではない、別の存在が決定権を有しているとの意味を表している。決定権を有する別の存在、つまり、政治社会を支配する支配者が大衆とは別に存在するとの考え方を示している。

その支配者は大衆の意思に迎合してはならない。これが「大衆迎合主義」=「ポピュリズム」を批判する構造である。そうではない。「民主主義」とは、大衆が主人公なのだ。民衆が主権者であり、民衆の意思に沿って政治を運営する仕組み。これが民主主義なのだ。

つまり、米国の大統領選結果も、英国の国民投票結果も、「民主主義」そのものであり、「ポピュリズム」ではなく「デモクラシー」である。18世紀の産業革命以降、資本主義と民主主義は調和の関係にはなく、緊張の関係にある。資本が資本の利益の極大化を求める行動と民主主義は対立するのである。

つまり、利益極大化を追求する大資本が支配する資本主義と民衆が支配者である民主主義とは常に緊張関係、対立関係が生じるのである。この大資本=資本主義にとって、民主主義は「天敵」であるとも言える。だからこそ、民衆が民衆の視点で判断を下すときに、大資本はこれを否定すべく「ポピュリズム」と表現して、誹謗中傷するのである。

韓国の主権者は大資本の支配に抗して、革新政権を樹立した。韓国民衆の力量を高く評価しなければならない。そして、私たちの国、日本でも、政治の改新を実現しなければならない。主権者の意思に沿う政治体制を確立するのである。

そのためには、オールジャパンで「政策共闘」=「政策連合」を樹立しなければならない。5月17日(水)午後6時~8時 衆議院第一議員会館多目的ホールにおいて、オールジャパン平和と共生「オールジャパン政策共闘・政策連合」確立に向けての学習会を開催する。日本政治を刷新するために、一人でも多くの主権者の参集を求めたい。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。