歌まで上手くなる「見るだけで体が変わる魔法のイラスト」が面白い


知久哲也[放送作家]

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若者のテレビ離れが叫ばれている中、健康番組、医療番組だけはドラマもバラエティも好調だ。一方で、不確かな情報による誤解を与える健康法、時には捏造や明らかな間違いなどで大きな問題に発展している事例は少なくない。

一方で、作り手としては、面白い健康法や医療情報は枯渇気味。魅力的な健康法、ユニークな医療情報を見つけ出すことは容易ではない。油断すればスピリチュアルや怪しげな民間療法にも手を出しかねない。バラエティや情報番組の放送作家としては、健康番組の企画にはいつも頭を悩まされる。

そんな中、シリーズ累計60万部を超えるベストセラー「ねこ背は治る!」(自由国民社)など、「こころとからだ」をテーマにしたベストセラー作家としても著名な小池義孝さんの新刊「見るだけで体が変わる魔法のイラスト〜健康になる! 運動能力が上がる! 」(自由国民社)がそのタイトルのインパクトもあって面白い。著者の小池義孝さんに直接話を聞いた。

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知久哲也(以下、知久):すでに多くの人に聞かれていることだと思いますが、やっぱり聞かせてください(笑)。「見るだけで体が変わる魔法のイラスト」というタイトルに、興味を惹かれました。これは、どういう意味ですか? 「見るだけで恋が実る絵」など、スピリチュアルな内容ではないですよね(笑)

小池義孝(以下、小池):もちろんです。スピリチュアル色はまったくありません。純粋に解剖学的なアプローチから健康増進させ、運動能力を上げるメソッドについて書いています。

知久:解剖学というと、肉体の構造や仕組みに関する医学書や解説書は多いですよね? その延長線上にある内容ですか?

小池:それも違いますね。解剖学の本は筋肉や骨格、内臓などを並べて解り易くまとめています。しかし、今回の本は、それらとはまったく違うコンセプトです。

知久:スピリチュアルでもないし、既存の解剖学ともまったく違うのに、「見るだけで体が変わる」なんて・・・放送作家魂に火をつけられちゃいますね(笑)

小池:人間の肉体は、外側からしか見られません。筋肉も骨も、皮膚というカバーに隠されています。すると表面上での印象と、内部構造との間にギャップが生じるんです。例えば、誰でも普通に首を曲げたりねじったりしていますけれど、ほぼ全員、間違ったイメージで動かしているんですよ。そのせいで余計な負担がかかって、痛みやコリの原因になっています。

知久:本当ですか!? 私は仕事柄肩こりなんで、常日頃から適当にボキボキと首をねじってます。自分では気持ちが良いつもりなんですが、むしろ逆効果?

小池:はい、逆効果です。だから本にしたんです(笑)。実際に魔法のイラストを見てもらった方が早いですね。イラストを見る前に、まず自由に首を曲げたりねじったり、動かしてください。

知久:(首を動かす)はい、こうですか?

小池:間違えてますね。続いて、この「魔法のイラスト」を見てください。体を透かしてみると、首の筋肉は背中から始まっているんです。だから「首は背中から動かす!」が正解です。赤い丸の場所を意識しながら、同じように首を動かしてみてください。

知久:うわっ! 全然、違いますね! 背中を意識した方が、首を楽に動かせます。頭も軽く感じます。

小池:外から見れば、首の付け根は青い丸ですよね。だから皆さん、首を青い丸から動かそうとします。でも筋肉レベルでは、そこは動かし出す起点ではありません。だから無理が生じて、余計な負担がかかっているのです。

知久:さっきの私の方法では、余計な負担がかかって、むしろ痛みやコリが生じてしまうんですか?

小池:はい。しかし、この意識をお伝えしただけで、慢性的な首コリが軽減したという人は多いんです。頭痛が軽くなったという人もいます。

知久:本のタイトルには「運動能力が上がる!」ともありますが、このあたりも興味深いですね。

小池:野球にしてもサッカーにしても、陸上競技でも水泳でも格闘技でも、首を動かさないものはありません。全てのスポーツ、競技に関係すると言っても良いでしょう。試しに、ボールを投げる動作をしてみてください。最初は青い丸を首の付け根と意識して、次に赤い丸の背中を付け根と意識して見てください。

知久:(投球動作を行う)あ、明らかに違いますね・・・。上手く表現できませんが、背中を意識した方がスムーズに動いたような気がします。

小池:青い丸を意識すると、首と胴体とがバラバラの感覚になります。一方、赤い丸の背中を意識すると、首と胴体とが一体になって連動した感覚になります。連動した分だけ、投球フォームが合理的に進化したんです。実際にボールを投げれば、軽く投げているのに、スピードと威力が上がります。

知久:同じようなことが、他のスポーツにも言えるのですか?

小池:そうですね。ランニングでは、重い頭を楽に支えられるようになって、上体の動きがなめらかになります。ボクシングでパンチを打つ動作では、首の動きと連動してスムーズになります。青い場所を意識していると、首の角度を決めて、上体を動かしてと二つの違う動きを同時に行う形になって効率が落ちます。首の意識の正否で、スピードも威力も変わるんです。少しでも首が動けば、いえそれ以前に、常に首で頭を支えているわけですから、この首の意識が関係しない場面はありません。首の意識をするだけで、全てが塗り替わると思ってください。

知久:なるほど! 首の他には、どのようなものがあるのでしょうか?

小池:腕力が上がる、呼吸が深くなる、走るのが速くなる、姿勢が良くなる、手首の使い方の幅が広がる、指を器用に動かせる、前向きなメンタルになる、歌が上手くなる、などにも影響します。頭、首、背骨、肩甲骨、腕、指、太腿、足首など、合計30枚の魔法のイラストでほぼ全身を網羅しています。

知久:歌も上手になるんですか!

小池:意識を正しく修正することで改善されます。歌がテーマですと、肺、舌、声帯、アゴ、発声イメージと直接的に大きな影響を及ぼすもので5枚ありますね。それをわかりやすく、楽しく実現するための「魔法のイラスト」なんです。魔法のイラストを見て知ってしまえば、一瞬で変わります。簡単ですし、一生の財産になる知識です。小さなお子さんからお年寄りまで、人間であれば皆さんに知ってもらいたい内容ですね。

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ちょっとした体の動きを変えるだけで、歌まで上手くなってしまうという健康増進に驚かされつつも、テレビ屋の知らない新しいメソッドや面白い方法はまだまだあるのだな、という奥の深さを改めて痛感させられた。

 

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知久哲也(ちく・てつや)放送作家。1985年、埼玉県川越市生まれ。2009年、大阪芸術大学芸術学部卒業。2010年、吉本総合芸能学院に入学し、芸人として活躍。その後、放送作家に転身。主な担当番組に「極限なぞなぞSHOW」「MXご自慢ライブ」「アニメちゃんに会える国」「あの年この歌〜時代が刻んだ名曲たち」など多数。