「愛犬モノ」のコンテンツの走りはテレビドラマ「名犬ラッシー」


柴川淳一[郷土史家]

動物を主人公にした「愛犬もの」コンテンツの走りは、実写ドラマ、アニメを問わず、日本でもっとも有名な犬の名前は「ラッシー」である。

思いつくまま、コンテンツになっている有名な犬の名前を挙げてみる。

  • パトラッシュ (フランダースの犬)
  • ヨーゼフ (アルプスの少女ハイジ)
  • リンチンチン (名犬リンチンチン)
  • ハチ (渋谷のハチ公)
  • ツン (上野の西郷さんの愛犬)
  • タロ、ジロ (南極物語)
  • ハラス (ハラスがいた日々)

こう並べて見ると、やはり、アメリカ直輸入のドラマ「名犬ラッシー」が一番だと思う。 ちなみに、テレビドラマの中の男の子は「ラッスィー」と発音していた。

このドラマは、 1954年(昭和29年)米国制作、 1957年(昭和32年)~1966年(昭和41年)TBS系列にて国内放送されたテレビドラマである。 この放送の影響で日本でも、コリー犬を飼う家が急増した。

余談だが、私の家の近くに バレーボールオリンピック3大会連続出場で、金、銀、銅メダリストとなった南将之選手が住んでいた。氏は元全日本監督、元旭化成監督等を歴任して、1999年に故人となられた。元全日本代表選手の南克幸さんは長男。 氏は身長が196センチだった。晩年は、愛犬のコリーを連れてよく、散歩されていた。私も愛犬の散歩中に何度か、すれ違ったことがある。しかし、氏は身長が二メートル近くあるため、連れていたコリー犬が遠目には小さなシェルティー(シェット・ランド・シープドッグ)にしか見えなかった。

さて、肝心の、「名犬ラッシー」のストーリーであるが、 毎週一回完結の短編だったので、次週まで未完のストーリーが持ちこされることは、なかった。そういう意味で安心感があった。 けれど、一回完結で、毎回、毎週、終了してしまうストーリーのため、記憶に残っていない。ドラマの一シーンや、ほんの一部が断片的に記憶に残っているのみである。

例えば、主人公の男の子がスタンドのない自転車に乗っていたので駐輪はいつも、自転車は横倒し。 アメリカ人て、自転車にスタンドを付けないなんて、よっぽど頭が悪いか、貧しいんだなと本気で思っていた。冷蔵庫から、でかい牛乳ビンを出してうまそうに飲むシーンも新鮮だった。

いつも、事件や事故から30分以内に男の子を救ってくれるスーパードッグ。 『巨人、大鵬、卵焼き』(昭和30年代の子供の好きなもの)でなくて、 私にとっては、『ハリマオ、ラッシー、力道山』の方がしっくりとくる。

私の知人の弁護士は「名犬ラッシー」のワンシーンが忘れがたく、将来、弁護士になろうと子供心に、強く思ったそうだ。

氏、曰く。

「ある週の名犬ラッシーは、性格の悪い地主が近所の人びとに対して引き起こす些細なトラブルの数々が描かれていた。 意地悪地主が人びとに、いろいろと難癖を付ける。 敷地の中を近所の人びとや子供やラッシーがなんの断りもなく、通り抜けていくことに腹を立てて裁判所に提訴する。そのため、ラッシーも被告犬となって出廷させられる。 ドラマのラストシーンで裁判官が判決を言う。 『本件は問題ありません。 私(裁判官自身)も毎朝、裁判所に来る時に 他人の土地を通り抜けさせてもらっています。』

ああ、この仕事、いいなあと、思ったよ。」

でも、弁護士になるより前に、コリー犬のオーナーになった。

犬の名前?もちろん、『ラッシー』

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柴川淳一

柴川淳一。郷土史家。1954年香川県生まれ。明治大学卒業後、地方銀行に37年間奉職。