<現役ゲームクリエイターも驚愕>発売18年目にして更なる進化を遂げたポケモンの魅力


八坂亮[ゲームクリエイター]

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先月11月21日に発売された「ポケットモンスター オメガルビー/アルファサファイア」(以下、「ポケモンOR/AS」)。「ポケモン」ブランドがレベルファイブの「妖怪ウォッチ」に押されていると世間が騒ぐ中で(筆者も騒いだ一人だが…)、発売後わずか三日間で販売本数150万本を突破する等さすがのブランド力を発揮している。

今回発売された「ポケモンOR/SA」は、約10年前にゲームボーイアドバンスで発売された「ポケットモンスタールビー/サファイア」のリメイク作である。リメイクと言えど、以下のような数々のパワーアップが施されているのが特徴だ。

  • 新規シナリオの追加
  • メガシンカシステムの追加・拡張
  • 全編3Dグラフィック化
  • オンラインでの対戦/交換
  • 便利機能の追加

特に3Dグラフィック化の影響は大きく、2Dから3Dに一新されたフィールドには10年前にリメイク前のゲームをプレイしている筆者でさえも全く知らない世界を冒険しているような感覚すら感じている。

勿論、懐かしいと感じるところも端々に残っており、リメイクされたゲームに付き物な「もう一度遊んでいる感」を最小限に抑えつつ、プレイヤーの思い出に残っているであろう所はしっかりと残している非常に秀逸なリメイク作と言えるのではないだろうか。そんな「ポケモンOR/AS」だが、特に筆者が気に入っている新機能がある。それは、3DSの下画面に表示される「図鑑ナビ」機能だ。

そもそもポケットモンスターとは、各地に生息するモンスターを捕まえて手元の図鑑に情報を埋めていく収集ゲームである。今回追加された「図鑑ナビ」は、そんな図鑑を埋めていく為のサポート機能だ。

従来のゲームでは、今自分がいるフィールドにどんなモンスターがいて、どのモンスターが図鑑に登録されているのか攻略情報を頼りにしないとわからなかったのだが、「図鑑ナビ」を使えば3DSの下画面に「捕まえたモンスター」と「今まで見つけたモンスター」のそれぞれのアイコンイラストが一覧表示されるようになる。

さすがに今まで出会った事のないモンスターの情報は表示されないが、その場所で出会える全てのモンスターを捕まえると王冠マークが表示される仕様によって「王冠マークがついていない=捕まえていないモンスターがいる」と、推理できるようになっている。一覧がない弱点を見事に収集する遊びでカバーしているとても良い機能のように感じた。

また、王冠マークの存在によってその場のモンスターを全て捕まえたくなる欲求にかられるのも面白い。従来では未捕獲のモンスターがわからなかったばかりに、捕まえ残したモンスターがいても気にせずにその場を通り過ぎる事が多かった。しかし、今作では王冠マークを付けたいばかりに、その場で粘って未捕獲のモンスターを探すようなプレイの仕方が増えている。

初代ポケットモンスター赤/緑から思い返してもこのような遊び方をしているのは今作がはじめての事だ。

更に面白いのが、「図鑑ナビ」を使用していると、稀に普段は覚えないワザや、特別なアイテムを持ったモンスターと出会う事ができる点だ。これらのモンスターの場合、戦う前に特別である事を「図鑑ナビ」上で知る事ができる為、「このモンスターは確実に捕まえなければ!」という気持ちにさせてくれる。

また、一度捕まえた事があるモンスターでも特別であると思えば再度捕まえたくなるのも良い。従来のポケモンシリーズであれば、一度捕まえたモンスターを何度も捕まようという気持ちになる事はあまりなかった。それは一度捕まえれば図鑑が埋まってしまう為、目的が達成されてしまうからだ。この点は「モンスターを捕まえる遊び」であるポケモンにとって長年の課題だったのだが、ついに解消する事ができたのではないだろうか。

ポケットモンスターは登場してから18年程度たったゲームだが、「図鑑ナビ」によって“捕まえる楽しさ”が大きくパワーアップした印象だ。ゲームの中身こそリメイクではあるが、今後に繋がる確かな進化を見せており、近年のシリーズ作の中でもベストな一本と感じる。

もしも、リメイクだからと今作を敬遠した方がいるなら思い直して欲しい。必ずポケモンの新たな魅力に気が付けるはずだ。

 

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八坂亮

八坂亮(やさか・りょう) ゲームクリエイター 1986年、大分県生まれ。大手ゲームメイカーにて、家庭用のゲームソフト開発を行う傍ら、『らくがきラボ』名義でスマホ向けゲームも開発にも従事。一人でも多く人に「ゲームが楽しい」と感じてもらえるよう日々精力的に活動中。