<地方を軽視する東京中心のテレビ>「祐天寺の駅前通りの美味しいケーキ屋」と言われてもリアリティがない?


柴川淳一[郷土史家]

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いつからか、地方に住んでテレビを見ていると「つまらない」と思うようになった。 「東京のローカルネタ」が地方の人には通じないからだ。

例えば、スカイツリーというテーマなら、日本全国、ほとんどの人に理解出来る。しかし、「目黒区の祐天寺の駅前通りにケーキの美味しいお店がある」 と言われても、地方の視聴者には、わからない。

「目黒区のケーキ屋」は理解出来たとしても、目黒区がどんな区であり、祐天寺がどのような町であり、そもそも「駅前通り」と言われても皆目イメージが出来ない。

こういう状況だから、東京制作のテレビ番組を見るたびに文句を言う地方の視聴者は少なくない。

毎日テレビを見ていても、毎日文句を言っている。 地方で放送されても、東京制作の番組だらけだから、分からないことだらけだ。結果、一日中、テレビに向かって文句を言う。

「祐天寺駅前通りの美味しいケーキ屋」がどんなに素晴らしいお店であろうが、話題の人気店であろうが、見に行くことも買いに行くことができないのだから、リアリティもない。しかし、そんな風に 文句を言いながらも、我々はテレビを見るのをやめようとは決して思わない。

「テレビはつまらない」と言いながら、「何か面白いのをやってないかな?」と結局、一日中、見ているわけだ。

テレビとは実に不思議な装置である。

[メデイアゴン主筆・高橋のコメント]視聴率は基本的に関東圏の数字がCM料金に直接関わってくる評価対象です。だから、地方でいくら数字を取ろうが、東京のキー局は関係ありません、各系列の地方局が、地元でCMを売るときには関係してきますが、それは地方局の仕事でしょ。というのがキー局の根本的な考え方です。「いいんだよ地方なんか。東京の数字取れる番組やれ」とうそぶくプロデューサーも居ます、実際、東京で数字を取る旅の行く先は、箱根、伊豆、富士山、日光、那須、鎌倉。いつでもその繰り返し。そりゃあネタだってなくなります。地方の時代が来てもきっとテレビ局は出遅れます。

 

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柴川淳一

柴川淳一。郷土史家。1954年香川県生まれ。明治大学卒業後、地方銀行に37年間奉職。