<紅白と箱根が年末年始に強い理由>歌番組+年越し=「紅白歌合戦」、スポーツ番組+大学=「箱根駅伝」


水留章[(株)ドリマックス・テレビジョン 代表取締役社長]

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毎年、年末年始はテレビの視聴率がとかく語られます。

「NHK紅白歌合戦が**%だ」ということから、「良かった、悪かった」はもとより「もはや国民的番組ではない」云々といったことまでもが話題の中心になった時期もあります。もちろん、今年もその論調がベースで、いくつかのバリエーションで語られるのでしょう。

紅白歌合戦や箱根駅伝は今年も堅調な数字を出しています。その原因はもちろん、その番組「内容」によって語られるべきが大事だと思いますが、その「属性」にも注目することができます。「属性」とは歌番組とか、スポーツ中継と言う意味です。

箱根駅伝については、先日の記事(学生だけで20校40万人・卒業生50学年分で2000万人が視聴者の基礎票?)でも書きましたが、「属性」がスポーツ番組でありながら、なお且つ「大学」番組だということ。視聴者の身の回りにある箱根駅伝出場校、もしくは惜しくも出場を逃した学校、あるいはその昔の伝統校・・・もろもろ、そのOBや親戚や関係者をぜんぶ含めたら、視聴者の過半数に届く数だと思います。

紅白歌合戦も歌合戦でありながら「年越し番組」です。5000万人とも言われるカラオケ人口の基礎票もあるでしょうが、テレビのある場所で年を越す人の数はまだまだ多いはずです。強力な裏番組が様々に登場してくる中でも、紅白歌合戦の牙城が基本的には崩れないのは「年越し」要素で勝てるものが、他にはないからではないでしょうか。

番組を内容でなく属性だけで語るのは危険だと思いますが、「年越しそば」のある向こうには「紅白歌合戦」が、お雑煮のわきからは「箱根駅伝」の歓声が聞こえる風景があるのは確かなことだと思います。

 

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水留章

水留章(みずとめ・あきら)1954年神奈川県出身。大学時代に野沢協氏の薫陶を受け、偉大な知性の存在に圧倒される。TBS入社後、制作で居作昌果氏に指導受け、仕事の肝要を教わる。その後編成、営業、人事、スポーツを経験、現在 (株)ドリマックス・テレビジョン代表。趣味…クロール、宝物…Gibson J45