<4週間かけてゲームを売る?>「バイオハザード リベレーションズ2」がチャレンジするエピソディック配信


八坂亮[ゲームクリエイター]

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先日、人気ホラーゲーム『バイオハザード』シリーズ最新作『バイオハザード リベレーションズ2』(以下、リベレーションズ2)の販売が開始された。本作の特徴はその「売り方」で、全四章のシナリオを毎週一章ずつバラバラに販売する形を採用している。非常に挑戦的な作品だ。

■エピソディック配信

「リベレーションズ2」の売り方についてもう少し詳しく説明すると、本作には以下のような複数の販売方法が用意されている。

  • エピソディック配信:全四章のシナリオを毎週一章ずつダウンロード販売
  • パッケージ販売:全四章をまとめて店頭で販売(但し、全シナリオ配信完了後に発売)

このように、まずは毎週一話ずつシナリオを配信し、その後にパッケージ版を販売するという珍しい形を採用している。パッケージ販売が全シナリオ配信完了後に予定されているところから考えると、パッケージ版に向けてユーザーと一緒にゲームを盛り上げていく形を狙っているのだろうと筆者は推測する。

これは、テレビドラマがブームになっていく流れを例に考えるとわかりやすい。新作ドラマを第一話からチェックする一部のコアファンが世間に発信し、話題に乗りはじめると、徐々に多くの人が途中から観はじめることで、最終的な「ブーム」が生まれる。

これと同じように、各章を毎週ダウンロードして遊ぶようなコアファンがネット上で発信する事で、他のユーザーが本作について知る機会が増えていくという寸法だろう。

これが、パッケージ版が発売されるまで続き、その間ユーザーと二人三脚で盛り上げていく形になる。ユーザー間の情報交換がしやすい現代だからこそ実現する面白い方法だと感じる。

◼︎ゲームの消費スピードに抗う仕組み

近年は、動画投稿サイトやSNS、2ちゃんねるまとめブログ等が盛んな事もあって、一つのゲームに対する評価が決するまでの時間が短い傾向がある。それこそ、発売後一週間もすれば世間の評価が決まっている・・・というようなことも珍しくない。

それに対して、「リベレーションズ2」は物語が完了するまでの最低、四週間はゲームの最終評価が決する事がなく、一つのゲームをそれだけ楽しんでいられる事になる。ゲームの消費スピードを軽減させるという面でも一石を投じているように思う。

■待っている間に飽きられては元も子もない

この売り方は今後に向けて大きなチャレンジである事に間違いはないが、「ゲームを分割して配信すれば延命できる」と言えるか? 問われればそう単純なものではない。ゲームの続きを「待っている間」に飽きられてしまっては元も子もないわけで、次の配信に向けてユーザーの期待感を繋いでいられる仕掛けや遊びが伴ってこそ実現できる物だろう。

ちなみに、「リベレーションズ2」には延々と遊んでいられるモードが搭載されており、飽きられない仕掛けもしっかりカバーされている。結局のところ、ユーザーを長く楽しませる基本設計がしっかり成立してこそ成り立つ売り方だ。そこは、作り手として肝に銘じたいと思う。この売り方が採用できるという事は、それだけユーザーに飽きられないゲームに仕上がっているという自信の現れだとも言える。

本作はまだまだ一章が配信されたのみ。これからが本番なので、まだ未プレイの方もダウンロードで参加しやすいタイミングだ。この機会に是非挑戦してみてほしい。私自身も、残りの三週間も期待と共に遊んでみようと思う。

 

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八坂亮

八坂亮(やさか・りょう) ゲームクリエイター 1986年、大分県生まれ。大手ゲームメイカーにて、家庭用のゲームソフト開発を行う傍ら、『らくがきラボ』名義でスマホ向けゲームも開発にも従事。一人でも多く人に「ゲームが楽しい」と感じてもらえるよう日々精力的に活動中。