出荷台数246万台のスマートテレビが持つデータ量は「視聴率」の4100倍

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
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スマートテレビが売れている。ネットにつなげるスマートテレビの出荷量はテレビ549万台の内、246万台である。
このスマートテレビに関しては視聴履歴などが記録されるため、テレビメーカーに個人情報が知られてしまう、と言う問題を中心に論じられることが多い。
しかし、テレビ制作に関わるものにとっては他に気になることがある。246万台のテレビは、個人で見ている人も居るだろうが、大づかみで言えば246万世帯のスマートテレビがあると考えることができる。
一方、日本で一社だけ視聴率調査をしているビデオ・リサーチの調査対象は関東の場合、600世帯だと言われる。246万世帯は4100倍のデータ数である。
現在のビデオ・リサーチの調査は5%の誤差があるといわれているが、データ数が4100倍になれば、より、精度の高い視聴率が出ることは間違いない。調査対象の属性としてスマートテレビを買う情報感度の高い世帯というバイアスが加わるが、それは勘案すればよいだけである。
こういった視聴率調査を、スマートテレビを売るメーカーが、やっていないとは考えられない。すでにやっているはずである。
と言うことは、テレビメーカーは、テレビ局と広告代理店が出資するビデオ・リサーチの視聴率とスマートテレビの視聴率を比較しながら見ているはずである。どちらを信じるかは自明だろう。
ビデオ・リサーチの視聴率は、テレビ局のCM料金に直接反映する。このままの状態が続けば、テレビメーカーがテレビ局に意見を言ってくるのは間違いない。
テレビ制作者は、「テレビが面白くないと、テレビが売れないという時代ではないこと」に気づかなければならない。地上波のテレビ番組を見るためにスマートテレビを買う人はもう少ないのかもしれない。
ならば、テレビ制作者は番組を面白くして、テレビが見たいからテレビを買ってもらうように努力しなければならない。エンターテインメントは変わらなければならない。
 
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