[西野亮廣]<制作費はクラウドファンディング>キングコング西野・4作目の絵本はトップクリエイターとの「完全分業制」

エンタメ・芸能

西野亮廣[芸人(キングコング)]
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ある夜、タモリさんに銀座のBARに呼び出され、

「絵を描いてみろ」

と突然言われました。これまで絵の勉強をしてきたわけでもありませんし、そもそも興味もなかったので、ホントに突然。
その夜をキッカケに、僕は芸人活動の傍らで絵本を作ることになりました。
これまでに発表した作品は、

  • 『Dr.インクの星空キネマ』(絵・文=にしのあきひろ)
  • 『Zip&Candy 〜ロボットたちのクリスマス〜』(絵・文=にしのあきひろ)
  • 『オルゴールワールド』(絵・文=にしのあきひろ 原案=タモリ)

の三作です。いずれの作品も評価をいただき、ありがたいことに海外での出版や絵本原画展なども決まり、今年の夏には東京・青山で『おとぎ町ビエンナーレ(入場無料)』という自身過去最大規模の個展も開催することになりました。
皆様のお力添え、そしてタモリさんがくださったご縁に深く感謝しています。
さて。僕は今、4作目に着手しています。
その作業を進めるなかで、ひとつ疑問に思ったことがありました。

「そもそも、どうして絵本は一人で作ることになっているんだろう?」

映画やテレビや漫画等は、カメラ担当、背景担当、色塗り担当、衣装担当…といった感じで各分野のプロフェッショナル達が、その才能を持ち寄って一つの作品を作り上げていきます。しかし、なぜか絵本だけは「作家が一人で作るもの」となっています。「各専門分野のプロフェッショナルに仕事を委託して、分業制で作った絵本」は存在しないのです。
しかし、です。

  • 「物語は書けないけど、背景なら僕に任せて!」
  • 「色塗りだけなら誰にも負けない!」

そういう才能を持ったクリエイターが、この国にはたくさんいます。
これまでの僕の作品は全て、西野亮廣個人が一人で文章と絵を担当してきました。誰の力も借りずに一人で作った方がカッコイイと思っていたので、分業制のことなど考えもしませんでした。
しかし、経験を重ねていくうちに、「誰が作ったか?」ではなく、「何を作ったか?」が大切だということに気がつきました。
「ベイマックス」の監督さんの名前なんて、ほとんどの人が知りません(監督は2人いるそうです)。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」の脚本家さんの名前なんて誰も知りません(脚本家は4人以上いるそうです)。
ただ、その作品のことは世界中の人が知っています。その作品は世界中の人達をドキドキさせています。
絵本でも、それができるのではないか? 日本のクリエイターさんが絵本を舞台に力を合わせれば、誰も見たことがない、世界中がドキドキするような作品を作れるのではないか?
というわけで、日本のイラストレーターさん達と手を組んで、完全分業制で制作する「世界中をひっくり返す絵本」を作りたいと思いました。
僕が文章と絵コンテとキャラクターデザインを担当して、Aさんが背景を担当して、Bさんが色塗りを担当して、Cさんが…といった感じで各分野のプロフェショナルに仕事を振って、チームで一冊の絵本を作ります。
ストーリーと絵コンテはすでに描きあげました。
その絵コンテをもとに、各分野のクリエイターさん達に仕事を委託します。
人を雇うわけですから、とうぜん、制作費がかさみます。この制作費を今回、「ウィシム」(WESYM)というクラウドファンディング(インターネット上で企画を発表し、一般の方から支援を集めるシステム)のサイトで募ることになりました。
絵本の構想は3年前にできあがっています。

タイトルは『えんとつ町のプぺル』

煙突だらけの「えんとつ町」の頭の上は、煙突から吐き出された黒い煙で年がら年じゅう覆われています。
そのため、「えんとつ町」の住人は、青い空を知りません。輝く星を知りません。
そんな町のハロウィンの夜にやって来たゴミ人間の「プぺル」と、嘘つき呼ばわりされた煙突掃除屋の少年の友情の物語です。
この絵本の制作費を募るクラウドファンディングが本日、2015年6月3日(水)よりスタートします。ご興味を持たれた方は、一度『ウィシム』のページを覗いてみてください。
そして、毎度お騒がせして申し訳ございません。
 
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