<はるな愛が激白>貧困からのニューハーフ、そして経営者へ
はるな愛[タレント/飲食店プロデューサー]
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「どうして愛ちゃんのお店は、いつもこんなに繁盛しているの?」
私がここ数年、よく質問される言葉です。
以前は「そんな事ないです。買い被り過ぎですよ~」なんて謙遜しているだけでしたが、最近ようやく、その問いに答えられるようになってきました。
私は現在、各メディアでも取り上げて頂いているお好み焼き店をはじめ、4つの飲食店を経営しています。かつては「どうせタレントの片手間な商売だろう」などと揶揄されたり、「どうせすぐに潰れるに決まってる」と心無い言葉を浴びせられることもありました。
ですが、まだまだ奮闘の日々とはいえ、おかげさまで各店舗は、すぐに潰れるどころか、うまく軌道にのっています。自分で言うのも恥ずかしいですが、本当に多くの常連客に愛され、キッチリと収益を上げることができるようになりました。
思えば私にとって「商売」とは、幼い頃からとても身近な存在でした。
そもそも私の両親はお好み焼き屋やナイトラウンジなどのお店をやっていました。近くに住んでいた親戚も焼肉屋さんを経営していました。飲食店というビジネスは、私にとっては常に身近であり続けました。
私にとって飲食店というビジネスで、お客さんと接するということは別段珍しいことでもなんでもなく、ごく当たり前の日常だったのです。
毎日、夜遅くまでお店で働く両親の元に育った私にとって、遊び場といえばもっぱらお店でした。お店の奥にある座敷に上がり込んでお客さんの様子を観察したり、少し大きくなってからは食材の仕込みを手伝ったりもしました。
ですが、両親が忙しく働いているからといって、決して家が裕福だったわけではありません。むしろその逆で、毎日の暮らしにも余裕などまったくありませんでした。
そもそもの理由は父親が作った借金です。大のギャンブル好きだった父親は、お金をどんどんつぎ込みました。商売がうまくいってる時も、そうでないときもです。これではいくら働いてもお金なんて貯まりませんよね。
時には、水道や電気が止められたり、ロウソクの灯りで質素なご飯を分け合ったり、強面の借金取りが自宅までやってきて居留守を使うなんてこともありました。
「お金がないと家族は苦労するものなんだ」
「お金って本当に大切なんだな」
幼かった私がそう考えるのは自然のことでした。そういう意味でも、お金を稼ぐということに対して普通の子供より強く意識していたように思います。
そんなある時、両親がやっていたナイトラウンジの常連さんに「面白いお店があるから行ってみない?」と誘われ連れて行ってもらったことがあります。そこはニューハーフのお店でした。どうやら常連さんは、私のことを女の子っぽいと薄々感じていたようです。
「凄い! こんな素敵な世界があるんだ!」
芸能界に憧れていた私にとって、初めて目の当たりにしたきらびやかなニューハーフ・ショーのステージは、まさに芸能界そのものでした。
いつもは学校でオカマだのなんだのと散々差別されるような言葉を浴びせられてきたけれど、ここでは違うじゃないかと衝撃を受けたのです。綺麗なオネエさんが派手なメイクとスパンコールの衣装で着飾り、歌い、踊る。それを観ているお客さんは、誰もが満面の笑みで拍手しながら楽しんでいる。
私は、すぐにそのオネエさんに弟子入りしました。中学3年の時の出来事です。
今にして思えば、それが「接客のプロ」に初めて触れた瞬間だったのかもしれません。これまで私は、ニューハーフとしての思いをテレビなどでお話することはありましたが、商売について語ったことはありません。経営者としての手腕や接客、あるいはホスピタリティや収益について話したりするのは、どこか気恥ずかしかったからです。
しかし、まがりなりにも経営者として恥ずかしくない成果を出せるようになった今日であれば、経営について、ビジネスについて、あるいは収益について、胸を張ってお話ができるようになったと実感しています。
ここで最初の質問にお答えしましょう。
「どうして愛ちゃんのお店は、いつもこんなに繁盛しているの?」
その答えはズバリ、本気で商売をしているからに他なりません。私は、決して片手間ではやっていません。しっかりとした覚悟を持ち、本気で商売と向き合っているからだと思います。
【参考】<レシピ動画の限界>ありきたりな料理を無理やりフードポルノにするオワコン感(https://mediagong.jp/?p=23107)
商売を成功させるために必要なのは、「マインドとテクニックのバランス」だと私は確信しています。自分自身の気持ちだけが熱くても、実践的なテクニックが伴っていなければ意味はありませんし、その逆もまた然りです。
多くの飲食店、特に「なかなか上手くゆかないな〜」なんて考えているお店のほとんどは、経営者がこのマインドとテクニックを理解していません。それどころか、考えたこともない人ばかりであるようにも思えます。
そんな私の飲食店に対する熱い想いを伝えることができれば、飲食店は元気になる。私自身、そんな「奥義」を身につけることができていると自負しています。
そんな私の経営者として活動に対して、タレントではなく、ビジネスマンとして関心をもってくださる方々も増えてきました。自分のビジネスが「タレントの片手間」ではないことを理解していただけることは、経営者としては何よりもうれしいことです。
私は現在、「日本の飲食業界を元気にするプロジェクト」という運動にお声がけを頂き、参加をしています。このプロジェクトはその名の通り、「日本の飲食業界を元気にする」ための様々なノウハウや実践スキルを、私・はるな愛や、人気放送作家・安達元一さんなど、プロモーション/プロデュースの専門家が集まって広めるというものです。
お店の集客アップ、売上アップ、リピーター獲得などの具体的な事例や、具体的な方法について無料で公開しています。(「日本の飲食業界を元気にするプロジェクト」については、以下の公式サイトをご覧ください:http://japan-project.com/lp01/)
先日、東京・三軒茶屋の私の経営するお店「大三」にて記者会見も行いましたが、テレビ朝日、日刊スポーツなど、23社のメディアにも取り上げられていただきました。私がこの分野で講師として直接アドバイス、いわば「飲食プロデューサー」としてカミングアウトする初めての試みです。
私以外に講師を担当いただく方々も素晴らしい実績をお持ちです。私自身が皆さんのお話を聞いて、すぐに自分のお店で実践したい内容もたくさんあるぐらいです。
「大人のハンバーグ」創業者の橋本武賢さんは、4店舗のお店を経営するオーナーでありながら、全国に会員さんがおられるコンサルタントです。阿保武和さんは全国に100店舗以上が加盟する「日本飲食店パートナー協会」の代表理事として、飲食コンサルタントとして長年活躍されている方です。
ハワードジョイマンさんは、テレビ番組「ガイアの夜明け」でも特集されるほど、飲食業界で長きに渡って活躍されているコンサルタントです。安達元一さんは「視聴率200%男」としてテレビ業界で活躍されている方ですし、伊勢隆一郎さんはWEBマーケティングの業界でインターネットを活用した集客の専門家として活躍されています。
私自身、まだ経営者としては奮闘中の身ですが、今回、このような方々と一緒に、このようなプロジェクトに関わることができることは本当に嬉しく思います。もちろん、私がこれまでに培ってきた「マインドとテクニック」の両方を、惜しげもなくご紹介していきたいと思います。
だって、日本中の飲食業界が元気になれば、日本全体も元気になるでしょ!
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