<偏向政治報道による大手メディアの代償>新しいメディアが既存メディアの裏側を暴く時代へ

政治経済

水野ゆうき[千葉県・我孫子市議]執筆記事

 
テレビ、新聞、週刊誌以外のメディア媒体が世の中に溢れだした。
有権者はこれまで大手メディアの断片的な記事に翻弄されながら、そして依存しながら投票行動に移してきたのかもしれない。しかもそもそも政治枠は少なく、報道内容はスキャンダルや汚職ばかりで政治=カネ・女・権力といった図式となってしまった。
我々が日常会話で使う「政治家みたい」という言葉も腹黒い、狡猾といったマイナスイメージであり、明らかに良い意味ではない。マスコミは面白おかしく視聴率の取れる内容や政治家を起用し、本当の意味で我々が政治や歴史を考える思考力や洞察力を寝かせ、有権者の政治に対するイメージをダーティなものへと変えた。世論誘導と揶揄されても仕方ないだろう。
政治家には種類がある。国会議員、知事、県議会議員、市町村長、市町村議会議員。これまでメディアで注目をされてきたのは国会議員であり、政権与党である。一部の首長がクローズアップされ始めたのはここ数年であろう。
国会議員とは言えど、画面に映し出され、文字になるのは閣僚やいわゆるタレント議員。地方議員は罪でも犯さない限り、大手メディアに露出することはまずない。しかしながら、我々の生活に一番密着している政治家というのは首長であり、市町村議会議員なのだ。
ただ、彼らの活動や経歴を知る術はこれまでほとんどなかった。露出のない彼らは存在すら知られていないことも多い。少ない情報量で何を基準に投票してきたのか。それはやはりメディアの力が大きく働く。では、選ばれた政治家によって運営されたこれまでの政治に有権者は満足しているのだろうか。
インターネットが広く使われるようになって20年。ウェブメディアが数多出現し、情報で溢れかえっている。そして、多くの有権者がメディアリテラシーを身につけ、マスコミに頼らず自分なりに情報を取捨選択して投票する時代へと変遷しつつある。何故、大手メディアは政治(家)の功罪両面を報道できなかったのかと言えば、NHKは半官半民であり、民放はスポンサーに頼る経営であることから、むしろ中立な報道を求めること自体が難しいのかもしれない。
そう、我々は知ってしまったのだ、報道やメディア組織の裏側を。
その結果、信ぴょう性や内容面からも報道番組の視聴率は年々下降し、紙媒体の売れ行きも不調。これは公正な報道をしてこなかった、偏った報道に舵をきったマスコミの代償かもしれない。一方で若年層の投票率はまだ低く、紙媒体に依存する高齢者が圧倒的な高投票率を誇る。若者の投票率向上は別課題として、未だに大きな影響力と反響を持ち合わせる大手メディアには正しい政治の在り方を導くことを望む。
ネット社会・時代に合わせようと無理にネット系若者起業家を起用したり、特定の読者や一部企業に阿る記事に執着するのではなく、殊に政治経済に関しては、大手メディアには公平無私な報道によってメディア界においてあくまでも重鎮的存在としての地位を堅持してもらいたい。我々はただ真実を知りたいのだ。