<ニコニコ超会議2015に出演>地方自治体こそニコニコ超会議に学べ!若者の政治参加や関心を引き出すネット利活用

社会・メディア

水野ゆうき[千葉県議会議員]
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統一地方選が終わった。どこの地域も低投票率に悩まされ、新人や無所属には厳しい選挙が行われたのが今回の選挙である。
筆者もまさに今回の統一地方選に挑戦した張本人である。筆者は、千葉県我孫子市議を辞任し、前半戦の千葉県議会議員選挙に出馬した。周囲から「厳しい」との声が相次いだのはどこの政党からも公認・推薦・支持を一切もらわなかったためだ。
しかし、地方議会は外交や安全保障などを議論する場ではない。学校(教育方針)や行政改革、道路や公園、待機児童問題など、市民の生活に密着した議論を行う政治であり、街づくりを前進させるにあたり政党色は不要という考えから筆者は政党に属していない。
市民と直接接し、その声をかみ砕き、判断して議会に届け、街づくりを市民とともに行うという役割は地方政治家にとって非常に重要である。
この「直接接し」という部分に注目したい。直接会って意見をぶつけてくれるのはほぼ団塊の世代以上である。一方で、これからの日本を担うのは若者世代。しかし、彼らはまず政治に無関心。彼らにコミットするにはどうすれば良いのか。
筆者の統一地方選終了後、千葉県議会の今回最年少女性議員ということ、そして「無所属」ということから取材が多く入った。都道府県議会となると「無所属」は極めて珍しいからであるがそれだけではない。
選挙期間中によく来た取材がやはり選挙・政治における「ネット」の活用法だ。筆者は無所属をネットでカバーしたのだ。
2011年千葉県我孫子市議会議員に当選以降、ブログ、ホームページ、ツイッター、Facebookは欠かさず活用してきた。公式ホームページ以外は若い世代が関心を持ちやすい内容を投稿し、難しい言葉は極力避け、政治への間口を広くするのが目的だ。
この4年間で新たに挑戦(出演)したのが動画配信サービスの「ニコニコ動画」だ。流れてくるコメントにも対応しながらネットユーザーと相互にやり取りができる。
2015年4月25日。ニコニコ超会議2015が幕張メッセで開催された。要はニコニコ生放送を地上に再現するイベントである。筆者は若手地方政治家代表として『超言論エリア』にて「言論アリーナ」に出演した。つまり、PC・スマホ越しに見ている人を生で見る、という仕組み。
通常時、不特定多数のユーザー同士が会うということはほぼない(市民が本当に困っていることがあり、SNSのメッセージで連絡してくる場合は別)。これは「イベント化」しているからこそ若者が幕張メッセにまで足を運ぶ。前回の『超会議3』では2日間でのべ12万4966人が来場しているのだ。
現在、若者の間でネットは生活の一部になっている。直接的手段よりもネットを活用することが当たり前になってしまっていることを我々も理解する必要がある。政治に無関心な若い世代を憂い、無理やり自分たちの価値観に当てはめるのではなく、このイベントにヒントが隠されていることを政治家も学ぶべきではなかろうか。
年に一度でもこのように若者やネットユーザー(もしくはサイレントマジョリティ)が自分の地域に対して大きく声をあげられる機会を各自治体はイベント化して作り、地方政治の実態や仕組み、その自治体が抱える課題を解説しながら、意見やアイディアを吸い上げるような発想の転換が求められているのではないか。
色に染まった地方政治家の声ではなく、政党や思想などのしがらみの無い若者世代の純粋な声を地方や街づくりに反映させるツールは既に揃っているのだ。
 
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