<報道機関の不勉強?>再エネという選択肢は「まだ先」ではなく「まだまだずぅーっと先」

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長]
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一昨日の「東京新聞(ネット記事)」では、「太陽光や風力などの再生可能エネルギーに力を入れる会社を選びたいと思う人も多いはずだが、再生エネの小売会社はまだ少なく、消費者がそうした会社を選べるようになるには少し時間がかかりそうだ」と書かれている。
この記事の見出しは、「再生エネ選択はまだ先 電力小売り全面自由化」。
結論から言うと、再エネの小売会社がどんなに増えようとも、或いは再エネの発電事業者がどんなに増えようとも、再エネの発電電力量が増えなければ、消費者がそうした会社を選べるようにはならない。
そして、そうなるには、「少し時間がかかりそうだ」どころではなく、気の遠くなるような時間がかかる。
再エネとは、中小水力・地熱・バイオマス・風力・太陽光の5つ。国内の発電電力量の構成を見ると、再エネの割合は3.2%程度(2014年度)。
しかも、風力や太陽光は天候によって左右されるため、いつ発電するか予測できない不安定な電源。商用可能な蓄電システムが普及するまでの遠い将来まで、風力や太陽光による電気の安定供給は望むべくもない。
つまり、風力や太陽光に関しては、当面の技術では、消費者が優先的に選択できるような電気を作れない。その夢が叶うのは、「まだ先」ではなく、『まだまだまだまだまだずぅーっと先』のことなのだ。
この記事では、

「・・・送配電網に送られた電気は原発や火力といった発電方法に関係なく、すべてが「混じる」ため、家庭にも原発の電気が届く・・・新電力の多くは、再生エネで調達できない分に関しては、大手電力から電力を買わざるを得ず、ここに原発の電気が混じってくる・・・」

と、絵図を貼付しながら書かれている。これは正論であり、絵図もとてもわかりやすい。
しかし、こんなことは、電気事業のことを少しでも勉強すれば、すぐに分かることだ。今になって記事にするなどというのは、東京新聞自身が不勉強であったことを晒け出しているだけでしかない。
 
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