<よく言った。それをお前が、やってみろ③>「ダメなテレビ番組の治し方」“割り算で治す”
高橋秀樹[放送作家]
「ダメなテレビ番組の治し方」と題したこの記事のタイトル。もちろん、「治す」は「直す」の間違いではない。
今回は「視聴率の取れないテレビ番組」を治す処方箋について書いてみたいと思う。「視聴率は悪くてもいい番組」という考え方はとりあえず放っておく。
僕の知っている直し方は3つ。「引き算で治す」「割り算で治す」「掛け算で治す」である。「足し算で治す」方法はない。その理由はこのシリーズの最後に明かす。
今回は「割り算で治す」方法である。割り算とは何をするかというと、番組を構成している要素を割り算して分割していくのである。再び情報ワイド番組を例にとろう。
情報ワイド番組は、どんな要素で構成されているか
- 日々の発生ニュース
- 芸能情報
- スポーツ情報
- 天気情報
- 時刻スーパー
- 交通情報
- 流行情報
- 生活情報
- 時事問題
- キャスター
- コメンテーター
- リポーター
このうち最も大切なものは何かを考える。それはテレビ局の戦略によって違うだろうから、一概には言えないが、例えば、「日々の発生ニュース」が最も大切だとする。その場合、「日々の発生ニュース」だけを取り出して、これにどんな変化をくわえられるかを考える。
すると、こんな案がでるかもしれない。
「日々の発生ニュース」を切るときに、若者、中年、高齢者、男、女、など、極めて偏った立場にたって構成してみたらどうだろうかと。「将来の年金の受給額が減るニュース」なら、それぞれの立場に立った時に違う視点が出てくるのではないか。
大切なものが「生活情報」と判断した時は、それはそれでこの情報にどんな変化をくわえられるかを考える。あとのコーナーは極端な話、引き算してやめてしまえばよいのである。天気予報のない、朝の情報ワイド番組があってもいいではないか。
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