<アニメが落語ブームの火付け役?>「昭和元禄落語心中」第2シーズン放映
齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務]
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漫画ファン、落語ファンの間でカルト的人気の雲田はるこの漫画「昭和元禄落語心中」のアニメ第2シーズン放送にあたり、各種イベントが開催されている。
年明け7日から17日まで新宿東急ハンズで特設グッズコーナーが開設され、8日は会場で関連落語会。同じく8日は大阪の天満繁昌亭での関連落語会。17日から23日は銀座三越で原画展とともにオリジナル浴衣を含むグッズ販売と各種イベント(放映主題歌関連コンサート、トークショー、三越劇場での落語会)。
31日には新宿、浅草、池袋の寄席合同でアニメで演じられた演目を上演する関連落語会と開催され、原作の寄席のモデルとなった新宿末広亭は早々に完売、とブーム到来の様子である。
おそらくはアニメファンからすると、アニメに登場する場所=聖地というわけで、これも聖地巡りの一環だろう。このアニメーションを入り口に新たな落語ファンが生まれるかどうかはさておき、落語家を演じる男性声優の3人が落語ファンだったり、落語修業をしていたりという気合の入れ方もトークショーやこぼれ話などちょっとしたネタになっており、マニア心をくすぐる。
【参考】落語研究会出身というだけ宴会で余興を強いるバカリーマン
もともと、雲田はるこの原作が落語ファンをもうならせる、落語の本質を鋭くえぐったストーリーのため、落語を知らない層にも落語の魅力を伝道する作品ではあるのだが。
ファーストシーズンにも開催された各種イベントよりかなりパワーアップしており、オリジナル浴衣を作成・販売する三越を会場としたトークショーなどは会場からあふれるほどの黒山の人だかりであった。展覧会場も常に人が途切れず、もっと広ければもっと人が入るのでは、と思わせる人出と熱気である。
会場に足を運ぶのは女性が多いが、洒落た着物を着こなした男性やもともとの落語ファンらしき中年の男性、落ち着いた印象の5、60代の夫婦連れ、若手カップルなど客層の広さがわかる。
先ごろ早稲田大学演劇博物館で開催された「落語とメディア」展が指摘したように、時代に合わせてメディアに使われ、またそれにのっかりながらモデルチェンジを繰り返すことで大衆芸能としてしたたかに生き延びる、落語の懐の深さと間口の広さを示す好例ともいえるだろう。
アニメーションは、関東ではTBSで毎週金曜日26時25分から30分間放映中。その他、各種有料配信サイトや有料サイトで放映、詳細は公式サイト(http://rakugo-shinju-anime.jp/)参照。
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