<合計特殊出生率を2030年ごろまでに2.07?>子どもを産まなくなった原因は人間の想像力

社会・メディア

メディアゴン編集部[過去のニュース

 
テレビのニュースが次のようなことを言っている。

「日本経済の中長期的な課題を探る政府の有識者委員会「選択する未来」が13日(2014年)、50年後に1億人の人口を維持する必要があるとの中間報告書をまとめた。そのためには一人の女性が一生に産む子どもの平均数である合計特殊出生率を2030年ごろまでに2.07まで高める必要があるが、実現にはあらゆる政策を総動員する必要がある。」

発表を鵜呑みにして垂れ流されるニュースに含まれた嘘。凡庸きわまりないコメンテーターが叫ぶ「子育て支援の充実」。ああ、いつも見る光景。本当に2060年位に必要なのは1億人の人口ですか。出生率2.07をあと16年で実現する…ご冗談デショ。
1972年(昭和47年)に2を超えていた出生率(夫婦が生む子どもの数)は、以後下がり始め、2012年は1.41である。「生物に種(しゅ)があるとして(種は、人間があった方が便利だとして決めた規則だ)種の保存の利益のためには、人間は合理的な行動をとる」という事を信じますか。
30年ほど前までは信じていい説でした。レミングの自殺というのをご存知でしょうか。北極圏にすむこのネズミは、集団密度が高くなると、海に飛び込み自殺するものが表れる。それは、種自体を守るための利他的行為、種の保存の利益のためだ。
これは、嘘です。
個体が種を優先する事はない。レミングが海に飛び込むのは、確率はすごく小さくても、新天地たどりつけたら、個体を生きながらえさせる事ができるからです。
ヒトも、個体を残して死ぬ方が自分の利益である事に変わりありません。でも日本人は子どもを産まなくなった。それはなぜか。ヒトには想像力というものあるからです。

[参考文献]『科学の罠』 長谷川英祐 青志社

 
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