TBS『あさチャン!』台風中継が凡庸以下だったわけ

エンタメ・芸能

高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]

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9月9日、月曜日『あさチャン!』(TBS系列)を見た。夜半に強大な台風15号が千葉に上陸したその日である。

こういう、横並びの情報番組で、その違いを決めるのは、

*丁寧に見て嫌な箇所を削っていく作業

*今の関心事に飛びつく、瞬発力のあるスタッフづくり

の以上2点が大切だと述べておく。1年は番組を続けさせてもらって、その間に、コツコツと、以上2点の改善に務める。それ以外に他局の番組からお客(視聴者)を持ってくる方法はない。

さて、2014年(平成26年)から『あさチャン!』は、5年も番組を続けさせてもらっている間に(視聴率が低いのに続いているのはMC夏目三久さんの所属するプロダクション力が強大だからと思われる)上記2点の改善は行われているのだろうか。

これが「行われていない」ことは冒頭の中継ですぐ明らかになった。

中継先として用意されたのは、台風直撃が考えられた「大洗」(結果はハズレである)そして、さっきまで嵐吹き荒れた「渋谷駅前」の2つ。

[参考]<24時間テレビ取材レポート>募金額6億9千万、視聴率15%超の大成功の要因?

ところが、どちらも、小康状態で激しい映像は撮れない。ならばどちらを先に中継するか。おそらく進行台本では「大洗」を先に構えている。

それを瞬時に判断して渋谷からの中継に変えるのがプロデューサーの仕事である。「渋谷駅前」には嵐は収まっているが、まだ電車は走っていないという情報がある。「先に渋谷から行くよ」と叫べばいいのである。対して「大洗」の映像は、まだ、来ない台風を待つ、いつもと大して変わらない平凡な波。

『あさチャン!』は、漫然とこのなにもない「大洗」の中継を冒頭に配し、ダラダラと続けた。こういういい加減さは、積もり積もって視聴者の嫌気を誘い番組に悪影響を与える。

ところで、筆者ならこの日の『あさチャン!』をどう構成したか。冒頭は何をさておいても夏目三久が嵐の中、どうやってスタジオ入りしたかのその話から始める。車で来たから何もなかったと言うなかれ。それを考えて話せるのがMCではないのか。夏目三久は可愛いがキャスターとしてはまだ成長していない。

 

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