<熊本地震での神対応>天皇皇后両陛下こそ日本で最良の臨床心理士だ

社会・メディア

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事/日本社会臨床学会会員]
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天皇皇后両陛下は5月19日、熊本地震発生から、およそ1ヶ月経ったこの日、被災地を訪れ、被災者達と対面した。テレビに映し出された両陛下の姿、言葉を聞いている内に、両陛下こそが日本最良の臨床心理士でいらっしゃるという思いが強くなった。
臨床心理士が心に傷を負った人に対するときの肝要は3つある。
『傾聴』『共感』『受容』の3つだ。
『傾聴』とは、人の話をただ聞くのではなく、相手に積極的に関心をもち、より深く、丁寧に耳を傾けること。自分の訊きたいことを訊くのではなく、相手の思い、伝えたいことを、真摯に『聴く』ことである。しかも、相手の話に介入せず黙って聴く。つまり、否定したり自分の意見を差し挟んだりは決してしないのだ。
この『傾聴』は、自分でやってみると分かるが、なかなか感単位は出来るものではない。
両陛下は、

「どうですか」
「お元気ですか」
「おつらかったですね」

と、言葉を継ぎながら、被災者の体験をあたかも自分の体験のように感じたり、考えたりするご様子がうかがえた。これが『共感』である。
【参考】<熊本震災 便乗犯罪に要注意>放送作家・安達元一氏「震災の被災現場で聞いた気分の悪い話、嬉しい話」
美智子様はお年寄りの手を握られ、天皇陛下は床に膝をつき、被災者の存在に深い関心をもち、かけがえのない存在として尊重なさっていた。この態度が、相手を受け入れる『受容』だ。
おそらく、この態度・対応は誰かに習ったのではないだろうと思う。天皇皇后両陛下はこの『傾聴』『共感』『受容』の3つの肝要を、誰に習うこともなく、自然に身につけていらっしゃるのだろう。
そう考えると、天皇皇后両陛下は日本最良の臨床心理士であり、カウンセラーであると言えるだろう。
 
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