<テレビの惨状>レコード大賞も紅白歌合戦も大相撲も1年間休止すべき?
高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
***
『ショウほど素敵な商売はない』(There’s No Business Like Show Business)と思って、ずっとマスメディアで放送作家として仕事をしてきたが、最近の状況はあきれかえるばかりである。
お客様からお金を戴き、好きなことをやらせて頂いて、それだけでも幸せなのに、レコード大賞も、紅白歌合戦も、大相撲もこのていたらくである。
【参考】<日馬富士事件>重大傷害事件を軽微にするメディアの印象操作
大相撲の日馬富士暴行問題。大相撲にはガチンコ力士というのがいて、星(勝ち)を回さないと疎まれるそうな。そもそもガチンコではないのか、大相撲は? ガチコンでなければ、あのショウは一体なんなのだ?
文春砲に寄ればレコード大賞は、一部の芸能プロダクション長老の意向ひとつで決まるそうである。レコード大賞の前最高責任者、作曲家の叶弦大氏が告発している。審査員が少ないからこういうことが出来るのだろう。
例えば、日本在住者全体から10000人を、ランダムサンプリング(無作為抽出)してアンケートを実施、その後はAI(人工知能)にでも機械的な統計処理してもらって結果を出せば良い。誰からも文句の出ないレコード大賞の受賞者が選ばれるだろう。もちろん、そうなれば「該当者なし」という結果だってあり得る。
今のところこれといったスキャンダルのない今年の「NHK紅白歌合戦」を、大相撲やレコード大賞と同列に並べるのは酷かも知れないが、紅白の人選や運営には前々から何かときな臭い噂ばかりがつきまとっていることは、ご存知の通りだ。
【参考】ちゃんとしていた「レコード大賞」はテレビとともに消えた?
今年の紅白出場メンバーを見ても、ショウとしては、どうも素敵な物になるようには思えない。そもそも話題の安室奈美恵には出演交渉したのだろうか?
テレビの主要視聴者の高齢化には歯止めがきかず、若者たちはどんどんテレビを見なくなっている。それはすなわち、大相撲、レコード大賞、紅白歌合戦といったコンテンツに興味をもっている層がますます減少する、ということを意味している。
もとより、主要視聴者だった高齢者までもが辟易としているのが実態だ。これらを正常化するには、いっそのこと、レコード大賞も、紅白歌合戦も、大相撲も1年間休止するぐらいの決意が必要だ。
もし、これらが「本当に望まれるエンターテインメント」であるのなら、1年ぐらい休止したところで、必ず甦る。
【あわせて読みたい】