<2017大晦日・ガキの使い>「笑ってはいけない」に感じる物足りなさ
高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
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大晦日の恒例となった日本テレビ「笑ってはいけない」。2017年12月31日放映回のテーマは「アメリカンポリス」。2006年(大晦日に移ってからの初年)の「警察」とかぶっているような気もしたが、毎年のことながらこのテーマ自体にさほどの意味はないので、あまり気にせずに話を進める。
さて、今回の放送を見てまず感じたことは「ヤマがなかった」ということだろうか。
「笑ってはいけない」は、毎年色々と毀誉褒貶が激しいボージョレ・ヌーヴォーのような番組なのだが、筆者は去年の「科学博士」は近年の「笑ってはいけない」の中では比較的良い出来だったと思っている。レクリエーションでのダウンタウンとジミーちゃんと蝶野ビンタの前に顔が発光する方正のくだりなどは、笑い転げることができたからである。
今回も、特にダラダラしたところもなく、鬼ごっこなどは去年よりだいぶ良い出来だったように思う。一方で「ムチャクチャおもしろい」と感じさせるところが特になかった印象だ。
レクリエーションでのダウンタウンはほぼ去年の焼き直しだったし、ジミーちゃんもちょっとしか出てこなかったし、蝶野ビンタにも去年ほどのインパクトはなかった。
蝶野に関しては、途中、アクシデントらしき流れで松本がいったんビンタされそうになるというくだりが挟まれていたが、あれも最初から全部仕込みだった可能性を感じた。(もちろん、それだからといって、おもしろくなかったというわけでもないのだが)
他にも、方正がこまわり君に扮していた場面などは、かなりの尺が割かれていたので、あそこは作り手も自信を持っていたのだとは思う。しかしながら筆者的にはあまりハマらなかった。方正が蝶野ビンタの時のようにグズグズ抵抗するわけでもないので、意地汚い部分が映らず、少し可哀想になってしまったからである。
ようは、方正が理不尽な仕打ちを受けることを自分の心の中で正当化できなかったのだが、これは好みの問題なのかもしれない。いずれにせよ、パッとしたヤマがなかったことはなんとも残念だ。
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