テレビ各局、どんな企画が通るのか?

社会・メディア

高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]

***

ロケが出来にくい昨今、テレビ各局のバラエテイは過去放送の「総集編」でしのいでいる。それを見ていると、つくづく感じるのが、各局の企画に関する取り組み方の違いだ。

なかでも今一番、新しい企画が通りそうなのがNHK。NHKは、本当におもしろい企画でなくても、「おもしろそうな」企画なら通ってしまうようだ。だから見たことのない新しい企画が放送される。かといって見てみると「おもしろくはない」のが欠点ではあるのだが。おそらく、企画書の企画意図と書かれたパート、つまり理屈のところで番組が通ってしまうからだろう。(例えば「日本を元気にする」など)

[参考]<水曜日のダウンタウン>ネットでダメ出しされても何一つ直さない説?

TBSは多くの二番煎じが通る。(例「アイ・アム・冒険少年」)そこそこの視聴率が欲しいのだろう。

フジテレビは迷っているように見える。(例えば「27時間テレビ」の中止)笑いに専念すればいいのに。笑いの撮れるディレクターが2〜3人しか居なくなってしまったのかもしれない。

日本テレビは視聴率王者である。もう、視聴率の取れる番組しか通らない。視聴率の取れる番組だけを選んでいると衰退していくのが芸能の世界では習いである。

テレビ朝日はバラエティでは一日の長がある系列局、大阪の朝日放送テレビ(ABCテレビ)のお陰で助かっている。(例「ポツンと一軒家」)。

テレビ東京は金がない。電通がスポンサー付きで枠を取ってくることもあるので助かっているが、最近はスタッフの知恵でも助かっている。「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」は、酒を飲んだときに誰かが思いついて盛り上がった企画を、翌日練り直したりせず、そのままやってしまったような番組だ。これはこれで偉い。何しろ「掻い掘り」の面白さは田舎にため池のひとつもあるところで育った者なら誰でも知っている。それを、ため池はそんなにあるのかとか、やらせてくれるのかとか、そういうことを検討しないでやってしまった感じが何しろ偉い。撮り方もラクである。出来るだけ多くの台数のカメラを回せば良いだけだ。難しいのは編集だが、これは一人上手な編集マンが何日か徹夜すれば済むことだ。

かつて、筆者は「ギミア・ぶれいく」(TBS)という番組で、総合構成をやっていたが、最も視聴率を取った名企画が「徳川埋蔵金」であった。映っているのは、ショベルカーがひたすら土を掘り返す映像、日本初の土木番組と呼ばれたものだ。番組は何かが起こっているから見られるのではない、何かが起こりそうだから見られるのだ。

 

【あわせて読みたい】