<どうなる?日本の視聴率調査>米ニールセンが2015年からパソコン・スマホ・ゲーム機などでの「デジタル視聴率」調査を開始

社会・メディア

メディアゴン編集部
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アメリカのテレビ視聴率調査会社ニールセン(Nielsen)は、2014年10月21日(現地時間)に、その公式ホームページで、アドビ社(Adobe)の技術を使用して、テレビモニター以外の、「タブレット」「パソコン」「スマホ」「ゲーム機」などで視聴されたテレビ番組の「デジタル視聴率」調査を開始するという計画を公表した。
広告主や広告代理店のあたらしい「評価指標を与えるための最初のクロスプラット・フォーム・システム」になるという。「広告主はより良いプラット・フォームに宣伝費を割り当てられる」としている。アメリカでの利用開始は2015年とのこと。
「ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン」「スターコムグループ」「ターナー・ブロード・キャスティング」「ユニビジョン・コミュニケーションズ」「バイアコム」などがすでに参加を表明しているという。
デジタル調査であるから、視聴している人の実数が出る。日本で行われているの視聴率調査は、視聴率10%の場合で「±2.4%」と誤差がありすぎる。しかし、この調査では、誤差どころか実数がカウントされるのである。老若男女、属性もきっちりわかる。
かつて日本でも視聴率調査をしていたニールセン社であるが、調査の買い手であるテレビ局や広告代理店からボイコットされて(買ってもらえなくなって)、日本からの撤退を余儀なくされたという過去がある。
また、アメリカのニールセン社が日本の市場に登場する機運は盛り上がってきたように思う。上層部はいざしらず、テレビ現場の制作マン・制作ウーマンはほとんどが大歓迎だろう。
日本国内の視聴率が、ビデオ・リサーチ一社による調査に独占されているのは関税障壁の一つであるから、これは日本がTPPに参加したあかつきに、ぜひニールセン社に訴えてもらいたいと思うぐらいだ。
しかし、アメリカの会社だけに首根っこを押さえられるのはもちろん我慢ならないから、日本のビデオ・リサーチ社にも正確な視聴率を出してもらえば競争原理が働き、なお良いだろう。ライバルがNielsen・Adobe連合である。敵に不足はないはずだ。
ところで、かつてビデオ・リサーチ社と二社体制で、日本の視聴率調査をしていたニールセン社がなぜ、テレビ局や広告代理店からボイコットされてしまったのか?ということは気になるところ。それを考える参考までに、ニールセン社が撤退した後に独占的な一社となったビデオ・リサーチ社の株主を列挙しておく。
<視聴率調査会社「ビデオ・リサーチ社」の主要株主>

  • 株式会社電通 / 株式会社博報堂 / 株式会社博報堂DYメディアパートナーズ / 株式会社大広
  • 東芝ソリューション株式会社
  • 株式会社TBSテレビ / 日本テレビ放送網株式会社 / 株式会社フジ・メディア・ホールディングス / 株式会社テレビ朝日 / 株式会社テレビ東京
  • 株式会社毎日放送 / 朝日放送株式会社 / 讀賣テレビ放送株式会社 / 関西テレビ放送株式会社 / 中部日本放送株式会社 / 東海テレビ放送株式会社 / 名古屋テレビ放送株式会社 / 中京テレビ放送株式会社 / RKB毎日放送株式会社 / 九州朝日放送株式会社 / 株式会社テレビ西日本 / 株式会社福岡放送 / 北海道放送株式会社 / 札幌テレビ放送株式会社 / 北海道テレビ放送株式会社/北海道文化放送株式会社 / 東北放送株式会社 / 株式会社中国放送

 
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