<沖縄の微妙な政治バランス>普天間基地の辺野古移設に賛成の衆議院議員は4人、反対が5人。
保科省吾[コラムニスト]
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2014年12月14に投開票された今回の衆議院議員選挙。沖縄における結果は、本土の選挙とは違い特殊だったと言えよう。普天間基地の辺野古移設が、是か非かのシングル・イシュー・ポリティクス(争点を一つの論題に絞った選挙)となった。
そんな単一争点選挙の結果、沖縄の4つの選挙区で自民党が全敗した。この結果だけを見ると、沖縄の民意は『琉球に基地はいらない』と、大和(ヤマト)安倍政権を全否定した。ということになる。
これは、圧勝と言われている本土とは全く正反対の結果である。小選挙区で勝って沖縄選出の衆院議員となった人々は、辺野古移設だけが唯一の解決策だとする安倍政権に対し、「日本政府の沖縄蔑視だ(沖縄4区で当選の仲里利信氏)」と言う発言になる。
しかし、これで沖縄の民意はまとまったということになるのだろうか。検討してみよう。
沖縄の4つの選挙区で敗れた5人の候補(自民4人、維新1人)は、皆、比例で復活当選を果たしている。端的にいうと、沖縄で衆議院議員に立候補した9人は、どんな形にせよ、全員当選したということになる。
そのうち自民4人の小選挙区での得票を足すと23万726票、小選挙区で当選した反自民4人は総得票30万4053票、辺野古移設反対の維新・下地氏の票を足せば33万8381票、県民投票だとすれば10万票の差をつけて辺野古移設は否決ということになる。これは全得票の59%である。
衆議院議員の人数では辺野古移設賛成が4人、反対が5人。参議院議員は、島尻安伊子氏が自民党、糸数慶子氏が沖縄社会大衆党、県知事が辺野古移設反対を唱えて当選した翁長雄志氏であるから、県を代表する人たちの意見は辺野古移設反対が7人、賛成が5人ということになる。
この数は、微妙なところである。
注目すべきは、沖縄での選挙は「アベノミクス是か非か」ではなかったという点であろう。ヤマト(本土)に住む人間はそれを肝に銘じておかねばならない。
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