<2015メディアゴンはこう考える⑧2015年ゲーム業界の行方>「2014年=次世代ゲーム機が出そろった年」の真価が問われる2015年
八坂亮[ゲームクリエイター]
***
(2015年元旦企画「どうなる?2015!〜メディアゴンはこう考える〜」はコチラ)
2014年のゲーム業界を振り返ると、大きな動きのない一年だったように感じる。次世代ゲーム機「PS4」や「XBOX ONE」が発売され、ユーザーが遊ぶ選択肢こそ広がったが、目新しさが少なく、業界に変化を与えるほどのインパクトは残せなかったと言わざるを得ない。
ゲームソフトの方に目を移すと、国内でヒットするタイトルは見知ったタイトルばかりで、やや閉塞感を感じるような結果だったようにも思う。
そんな中、今年の流行語大賞にも選らばれ日本に「妖怪ブーム」をもたらしたレベルファイブの『妖怪ウォッチ』が数少ない明るいトピックだ。子供に向けて丁寧に作り上げられた内容とアニメや玩具のマルチメディア展開でコンテンツを世間に浸透させ、ゲームと連動する「妖怪メダル」で社会現象にもなった。
昨今のゲームコンテンツでここまでのニュースになるのは非常に珍しい。レベルファイブの場合は、『イナズマイレブン』や『ダンボール戦機』等で培ったノウハウが蓄積されている事もこういう結果をもたらした一因ではあるが、新規のタイトルをヒットさせる道がまだある事を示してくれたという意味でも非常に前向きな出来事であったと思う。
一方、次世代ゲーム機の登場によって海外のゲームの凄まじさを改めて痛感させられた年でもあった。『Watch Dogs』等は国内のゲームでは感じられない壮大な遊びに仕上がっており、ゲームの表現と作り手が想像している事のスケールの大きさには見習うべき部分が多いと感じた。
ここで、2015年のゲーム業界について少し考えてみよう。
2014年を「次世代ゲーム機が出そろった年」だとすると、やはり2015年はその真価を発揮しなければならない年ではないだろうか。国内のゲームでもPS4に「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」、「メタルギアソリッド」といったタイトルの新作が控えており、盛り上がりを見せる事は間違いない。発売して少し時間がたった事で、そろそろコンテンツが揃ってくる時期とも言えるだろう。
また、海外のゲームも今年以上に目立つようになるのではないか。年々、海外のゲームを受け入れるユーザーも増えており、来年はその傾向がさらに助長されるよう思う。
国内と海外のどっちが勝つか? ではなく、理想はどちらも面白いタイトルが出そろっている事だ。映画で言うところの「邦画と洋画」のように、ユーザーが国内産のゲームも海外産のゲームもどちらもフラットな気持ちで選べるような年になれば良いと思う。
個人としての2014年は、開発に時間をとられすぎて満足にゲームを遊ぶ事ができず、インプットの少ない年だった。ここで毎度偉そうな事を書いているが、筆者はゲームを作る人なので、2015年はより多くのインプットを行って、2016年やその先の未来でゲームを遊んでくれる人たちに多くの還元ができるよう努めたいと思う。
【あわせて読みたい】