[西野亮廣]岡田斗司夫さんは「クラウドファンディングと完全分業制で絵本を作る」という西野亮廣が「ハナについた」のだ

社会・メディア

西野亮廣[芸人(キングコング)]
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作家・岡田斗司夫さんと東洋大学准教授・藤本貴之さんの「場外乱闘」が面白い。
藤本さんが書いた以下の記事を読んで欲しい。

<岡田斗司夫さんのキングコング西野さんの『クラウドファンディングで絵本作り』は間違っている」は間違っている。>

事の発端は岡田さんが僕の絵本作りを批判ことから始まる。岡田さんの言い分には、たしかに強引な部分もあって、それを藤本さんが「そりゃ強引だぜ」と反論した形。
僕は藤本さんの以下の考えには激しく同意してる。

「能力や仕事に対して正当な評価と正当な対価を与える、ということは、クリエイティブ産業にとって最も重要な要素の一つだ。日本ではそういうものがなかなか育まれてこなかった。『物質的でないものは無料』と考える風潮が、クリエイターを先細らせる原因の一つにもなっている。」

やっぱり、僕は才能にはキチンとお金をお支払いしたいと考えている。
そして、「作品はこうやってつくるもの」と決めつけるのではなく、作品によっては、今度の絵本のように『制作費を出版社が負担しきれない作品』もある。そのシワ寄せがイラストレーターさんの乱暴な労働時間にいくのが嫌で、そこはキチンと保障しようと思っている。
だからこそ、今度の絵本は制作コストがかかる。内訳のほとんどが才能に支払われる。これは間違っていない。
で、ここからは「アイスバケツチャレンジが流行った理由」の話と展開が似ている。
つまりあの企画は、セレブ同士がバトンを渡している感じだとか、お祭り騒ぎしている感じに嫌悪感を抱いた人がいた。
そんな状態に賛美両論が巻き起こって、あの企画に対して「是」か「非」かが議論され、その議論自体が企画の宣伝になっていたわけだ。
結論、「ハナにつく要素が含まれていたから流行った」のだ。「ハナにつく要素」が含まれていなかったら議論はされていない。もちろん、議論されなかったらあそこまで宣伝されなかったはずだ。
一つのものを流行らせるには、議論される仕組みを作った方がよくて、つまり仕上げに「ハナにつく」エッセンスをふりかけて食卓に出すのも一つの手だ。
やり方は少し乱暴かもしれないけど、目的は「流行らせて、人を助けること」であり、「流行らせて、誰も見たこともない作品を作ること」なのだから。
で、今回の「クラウドファンディングで制作費を集めてトップクリエイターによる完全分業制で絵本を作る」という企画立ち上げの時、会議で僕が言ったことは、

「企画タイトルの一番最初に【世界初】という文字を入れましょう。かならず『そんなの世界初じゃない!』と言ってくる人が出てくるから。そこで議論が起こって、それが宣伝になる」

ということ。
第一希望は【ディズニーを倒す!】だったんだけど、「狙いは分かるけど、さすがにハナにつきすぎる」という理由でスタッフ全員から却下された。
今回、岡田さんは、きっと「ハナについた」んだと思う。
僕からしたらそれでいいし、おかげでニュースにもなって、おかげでその夜は支援総額がグンと伸びた。(6月11日18時現在=312万8200円:http://wesym.com/ja/projects/nishino/)
そして、岡田さんの言い分に対して、当の本人(僕)は、どう出ようかと考えた。
今回は岡田さんの言い分が少し雑だったので論破できるけど(普段は絶対に勝てない!)、僕の目的は「誰も見たことのない絵本を作って、届けること」なので、出版のタイミングならまだしも、今このタイミングで岡田さんを論破しても、あまり特はないと思った。
宣伝は「場外乱闘」にお任せして、そんなことより僕は今回の作品づくりにおいて「岡田さんの脳ミソが欲しい」と思ったので、岡田さんの言い分には対して、

「ごめん!ごめん!ごめん!ごめん!ごめんなさいっ!」(@nishinoakihiro:原文ママ)

と返し、そこから何を言われても「ごめん!ごめんて!」と言い続けた結果、「あの…ほんとゴメン」と岡田さんから返ってきた。
そこで、

「許してあげるから、制作スタッフに加わってください」

と岡田さんをブレーンに取り込んだわけだ。このあたりは、さすが天才・西野。笑福亭鶴瓶いわく『妖怪・おやじコロガシ』だ。
さっそく岡田さんとLINEを交換し、なるほどなご意見を、たくさん頂戴した。そんな岡田さんの「ニコ生」に出演することが、さっそく決まった。
場合によっては喧嘩になるかもしれないけど、そうなったらそうなったで、その時考える。
見届けてくださいな。
 
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