[江川達也]<戦争を維持するための正義の捻出>軍事力維持のためには10年ごとに実戦をしなければならない


江川達也[漫画家]

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アメリカは世界の平和を願っているのか、戦争を続けたいのか。

運動選手は体を動かさないと能力が落ちる。同様に軍は実戦を続けないと能力が落ちる。10年ごとぐらいには戦闘をすることが必要なのだ。

筆者は「日露戦争物語」という漫画を描くために日本の戦争を調べていて気がついたことがある。明治のあたまから第一次世界大戦まで、日本は、見事なくらい十年ごとに戦争(もしくは戦争未遂)をしているのである。

偶然なのか、わざとなのか。

おかげで、年号が覚えやすい。

  • 1854(安政1)年 幕府がアメリカのペリー艦隊を江戸で迎撃戦(未遂)
  • 1864(元治1)年 長州藩が西洋列強4国と下関で戦争(長州の敗北)
  • 1874(明治7)年 日本軍が台湾に出兵
  • 1884(明治17)年 日本軍が大清帝国軍と朝鮮で戦闘(甲申事変/未遂)
  • 1894(明治27)年 日清戦争(日本の勝利)
  • 1904(明治37)年 日露戦争(日本の辛勝)
  • 1914(大正3)年 日本軍が青島のドイツ軍攻撃と地中海に海軍派遣(第一次世界大戦)

アメリカも湾岸戦争からイラク戦争までちょうど十年だった。戦争を維持することが軍を維持することになるとすると、無理矢理にでも正義を捻出しなくてはならない。

正義製造業のみなさま、ご苦労様です。

(本記事は、著者のFecebookエントリを元にした編集・転載記事です)

 

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江川達也

江川達也(えがわ・たつや)漫画家。1961年、愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部卒業。 アシスタントの傍ら描いた習作『Don't Give Up』が『コミックモーニング』編集部の目に止まり、1984年、「BE FREE!」(『モーニング』)でデビュー。その後『まじかる☆タルるートくん』を始めとする少年誌向けのギャグ漫画や、『東京大学物語』『GOLDEN BOY』などの青年誌向けのストーリー漫画まで幅広い分野で執筆し、作品がアニメ化されるなど、立て続けにヒット作を生み出す。