<実現しないイマジンの世界>ジョン・レノンが暗殺された12月8日は太平洋戦争が始まった日


榛葉健[ テレビプロデューサー/ドキュメンタリー映画監督]

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筆者が高校2年の冬だった。1980年12月8日、ジョン・レノンが亡くなった。

午前中の授業の休み時間、同級生のK君が、校舎の3階の中庭に面した窓に、模造紙に黒マジックで大書きした横断幕を貼り出していた。

「ジョン・レノンは永遠に」

ジョン・レノンの死は、それくらい突然の出来事だった。ファンだったK君だけでなく、教室では同級生も皆、「暗殺」と言うラジオニュースの言葉にざわついていた。

12月8日は、日本が太平洋戦争を始めた日。そして、ジョン・レノンの命が奪われた日。

太平洋戦争では、アジア太平洋地域の推定2300万〜3300万人(諸説あり)の尊い人命が犠牲となった。その後も人類は、国家、宗教、民族の違いや経済的利権の対立などを理由に、今も戦い、殺し合っている。

ジョン・レノンが願った「imagine(イマジン)」の世界は、実現していない。

「imagine」はこう歌っている。

国なんて、ないって考えればいい。

殺したり、死んだり、神様だってないって考えればいい。

みんなに優しく暮らしていくことだけを考えればいい。[高橋秀樹・超意訳]

 

世界が手に入れたのは、「歌」だけか。それとも…?

 

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榛葉 健

榛葉健(しば・たけし) テレビプロデューサー、ドキュメンタリー映画監督 1963年東京生まれ。1987年、在阪民放局入社。さまざまなジャンルで幅広くドキュメンタリーを制作し、日本テレビ技術協会賞、坂田記念ジャーナリズム賞などを受賞。世界最高峰チョモランマの取材では、登山家たちが放置する大量のゴミを世界のテレビで初めて告発。1995年以降、阪神・淡路大震災関連のドキュメンタリー14本を制作。そのうち『with…若き女性美術作家の生涯』は、「日本賞・ユニセフ賞」「アジアテレビ賞」など数々の国際賞を受賞。東日本大震災の発生後は、私費で宮城県南三陸町や気仙沼市などに通い続け、映画「うたごころ」シリーズを制作。全国の劇場をはじめ各地で上映の輪が広がっている。