<ダウンタンウンのギャラ1500万もシャレにならない?>基本的に全員がスベっていた「FNSお笑い祭」は出演芸人の人選が問題


高橋維新[弁護士]

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2015年12月28日に放映されたフジテレビ「FNSお笑い祭」。MCにダウンタウン。局の側に気合が入っていることは十分に伝わってくる前情報であった。

プロデューサーの中嶋氏(「めちゃイケ」などでおなじみの中嶋Pである)の発言として、「紅白のような年末のお笑い特番として定着したらうれしい」というような言葉も伝わってくる。FNS歌謡祭に並び立とうという番組である。

とはいえ今年が初めての試みであるため、どう転ぶか分からない怖さがあった。あまり期待すると肩透かしを食らった時の落胆も大きい。筆者はあまり期待せずに見ることにしたが、実際にオンエアされたものは、確かに「どうってことのない出来」だった。

番組は、芸人たちによるネタの部分と出演芸人全員とMCが一堂に会したスタジオでのトーク部分に分けられる。

ネタの各論はあとで書くことにして、問題はトークである。松本が終始指摘していたが、基本的に全員がスベっていた。それでもスベリ笑いに昇華できていたのでなんとか持ってはいたが、筆者みたいな天邪鬼じゃないと芸人たちがスベっている様子を心から嗤うことはできないのではないだろうか。普通の人は、もっと単純におもしろい話が聞きたいはずである。

なぜこうなったか。基本的には、人選の問題でしかないと考える。

番組のコンセプトが「2015年のお笑いの総決算」ということであったため、今年活躍した芸人を中心に集められていた。ただ、「今年活躍した芸人」といっても、今年の賞レースでタイトルを獲った芸人が多めであった。

それ以外も、フリートークは下手だが漫才やコントがおもしろい芸人を中心に集めた印象である。だから、フリートークがあまり盛り上がらなかったのである。

じゃあネタがおもしろかったかというと、そうでもなかった。今年の賞レースの面々が多かったということは、まだまだ売れかけの面子が多かったということでもある。THE MANZAIの面子の方が、ネタは確実におもしろかった。

ネタをやるのに出てくる芸人のネタがおもしろくない。フリートークをやるのにトークも得意じゃない連中である。どういうコンセプトで何をやりたいのかが今一つ伝わってこなかった。

加えて、通しで撮ったトークの合間合間に別撮りしたネタが挟まれるという構成になっており、ネタとトーク部分のつながりも特になかった。

結局、スタッフが「人選」でしか頭を使っていないというTHE MANZAIの問題点が解決されていなかったのである。ただその人選すら前述の通りまずかったので、スタッフはいったい何をやっているのだという話である。

フリートークの導入は、番組をネタの垂れ流しで終わらせないようにする目的意識の下に行われたことだと思われるので、それ自体は非常にいい試みなのである。ただ、今回は本当にただの試みで終わってしまったということである。

来年以降も続けるなら人選はもっと工夫が必要である。ネタとトークの関連性ももっと持たせた方がいい。なんなら、トークのスタジオでネタをやって他の芸人にも見てもらった方がもっとガッツリとした絡みが生まれるだろう。他のことをやってもいいかもしれない。

ただ、この出来だと来年も同じことができるのかどうかが不安ではあるが。

エンディングで2人のギャラが1500万と主張するダウンタウンはシャレにもならない。

 

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高橋維新(たかはし・いしん)弁護士、コラム二スト。1987年、東京生まれ。2006年、東京大学法学部入学。2010年より「マヒ郎」のペンネームでファミ通町内会へ「ハガキ職人」として投稿を始める。現役ハガキ職人を続けながら、2012年に司法試験合格。2013年、弁護士登録(函館弁護士会)。ファミ通町内会長(第5代)。