<「テレビ局の力」が日本テレビにはある>「THE MUSIC DAY 音楽のちから(2014年7月12日)」11時間生放送を見て


高橋秀樹[放送作家]

 

日本テレビ「THE MUSIC DAY 音楽のちから」。「音楽の力」を謳ったこの番組を見ていると、放送局の力はキャスティング力だ、ということが思い知らされる。司会は櫻井翔。

出演歌手は秋川雅史、麻倉未稀、石井竜也、石野真子、AKB48、大橋純子、岡本真夜、荻野目洋子、織田哲郎、海援隊、華原朋美、紙ふうせん、Kiroro、THE ALFEE、鈴木雅之、世良公則、谷村新司、徳永英明、夏川りみ、ばんばひろふみ、一青窈、B.Bクィーンズ、日野美歌・葵司朗、ビリー・バンバン、槇原敬之、森昌子、LINDBERG、渡辺真知子、aiko、嵐、E-girls、いきものがかり、うるふるず、AKB48、HKT48、SKE48、NMB48、EXILE TRIBE、KAT--TUN、関ジャニ∞、木村カエラ、きゃりーぱみゅぱみゅ、倉木麻衣、GLAY、Coldplay、三代目J Soul Brothers、スキマスイッチ、SEKAI NO OWARI、玉置浩二、TM NETWORK、TOKIO、徳永英明、西野カナ、NEWS、乃木坂46、Perfume、V6、Hey!Say!JUMP、ポルノグラフィティ、miwa、May J.、森高千里、住岡梨奈、ナオト・インティライミ、フェアリーズ、ファンキー加籐・・・。

こうして眺めてみると大したキャスティングではない。「歴代J-POP史総まくり」のサブタイトルは言い過ぎの上げ底だろうと冷静になると思うが、それなのに、生で見ている人には、結構ちゃんと歌手出しているなあとの印象を与えるところが企画力だ。

土曜日の11時間の枠切りをまず決め、そこに空いている歌手をどんどん入れてゆく。土曜日は営業で地方公演をしている歌手も多いので大変だ。歌手が入れば、そこからは、無理な企画コーナーやあざとい構成は早々とあきらめて、時間優先で出られるところに歌手を貼り付ける。

MCは最短にして、淡々と歌を並べる。武田鉄矢だけには言いたいことを聞いておく。音事協(一般社団法人 日本音楽事業者協会)に気を使ってはJ-POP史に必要な、過去のVTRは、あまり使わない。で、巧んだ結果なのか巧まざる結果なのか、結局、歌番組の予定調和感が消え、ランダムさが生まれていい味になってしまう。

こういった祭典ものの歌番組は、「NHK紅白歌合戦」にしろ、「TBS輝く!日本レコード大賞」にしろ、「FNS歌謡祭」にしろ、往年の「TBSザ・ベストテン」にしろ、裏の汚い大人の事情が見えてしまうのだが、この番組はそれが見えにくくなっている。よく考えれば音事協カルテルとがっちり手を組まなければできない番組だとわかるのに、それが見えないのは素晴らしい。

肩の力を抜いててできた名構成だ、と言っておく。

局の力が日本テレビにある時代はしばらく続くだろう。

 

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