当たるテレビ番組は分からないけど「ハズれる番組」には特徴がある

水留章[テレビ制作会社長]・高橋秀樹[放送作家]

 
高橋は放送作家、水留はディレクター、プロデューサーとして40年近く、テレビのおかげで生活ができてきました。
40年もテレビを作ってきたのに「当たる番組」がどんなものかはちっともわかりません。ですが、「外れる番組」がどんなものかは「ほんの少しだけわかった」気がするのです。
◆ 外れる番組は企画書が厚い
厚いのは、みんなの意見がたくさんあるためである。スタッフの人数も集めすぎで、バラバラな意見を選択することができないから必然的に企画書は厚くなる傾向がある。(水留・高橋)
◆ 外れる番組は企画書の表紙がきれい
二色刷どころか、多色刷りのことだってある。中身が薄っぺらだから表紙ぐらいお化粧しなければ、ということの現れなのかもしれない。写真もつけましょうか!(水留・高橋)
◆ 外れる番組は制作準備日程が予定通り進む
「進む」というよりも、むしろそのように「進める」。中身の問題よりもスケジュールが第一優先するからだ。だから予定通り進んでも中身ができていないことが多い。(水留・高橋)
◆ 外れる番組は周りに中身を話すと、とても受けが良い
素人でもわかりやすいからである。もしくは二番煎じなんだろう。しかし、それでは「あたり」も「はずれ」もない。(水留・高橋)
◆ 外れる番組は有名な放送作家を集める
彼らのアイデアが欲しいのではない。テロップを格好良くするためだけだ。テロップは1人よりたくさんの方がやってる感が出る(水留・高橋)
◆ 外れる番組はスタッフが寄せ集めのことが多い
スタッフ同士あまり仲良くない。中身の議論の前にお互いに挨拶をしていることも多い。「どんな映画が好きなの、君~っ!」みたいに。(水留・高橋)
◆ 外れる番組には主人がいない
だから、決められない。誰も決められないまま進んでゆく(高橋)
◆ 外れる番組は会議が長い
みんな保身の意見を言うからである。保身の意見だけ言っておかなければならないから。同じ意見を違う表現でいうだけだから
どんどん長くなる(高橋)
◆ 外れる番組はADが寄り付かない
ADが一番分かっている。ADは難破船の鼠のように逃げてゆく(高橋)
◆ 外れる番組は楽できるところがない
何から何まで大変だ(高橋)
◆ 外れる番組のスタッフは演者を尊敬していない。
尊敬できないのは演者にも責任がある(水留・高橋)
◆ 外れる番組はディレクターが事前に恋人に自慢することがある
「俺今度、例のアレ担当するんだ!君アレ好きだよね」・・・しかし、それが2人の関係にプラスになった例はあまりない(水留・高橋)
◆外れる番組は前評判が高いか、周囲の期待がとても大きいことが多い
なぜならば、期待していない番組は、はずれても誰も相手にしないからである。放送したことも知らないかもしれない
だからそんな番組は「外れる」わけはない(水留・高橋)
 
そうは言っても「ほとんどの番組」が当たるよりも遥かに高い確率で「外れる」。もちろん、「当たる番組」の周囲で起こることは、あまり経験も、見たことも無いということになる。(水留・高橋)
結論。
『だから、自分の信ずるところで番組をやるしかないのです』(高橋)

『番組は見ていただく人の為にあるのは勿論ですが、 作り手本人たちの為にもあるんです。』(水留)

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