<見えないクレーマーに怯えるな>山本圭壱の復帰「めちゃイケ」で見せた往年の手腕に期待

高橋維新[弁護士/コラムニスト]
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2016年7月30日に放送された「めちゃ×2イケてるッ!夏休み宿題スペシャル」(フジテレビ)において、2006年に番組を離れた山本圭壱が10 年ぶりに登場した。淫行騒動で芸能界から離れて以来、10年にしてようやくの本格的なテレビ地上波への復帰となった。
筆者は事前情報で山本の「めちゃイケ」登場というニュースを聞き、「出演時間は少ないのではないか」と予想していたのだが、この予想は見事に外れた。山本は、スペシャル番組の2時間半、出ずっぱりという状態だった。
「危険水域」と言われるレベルにまで低迷をしている現在の「めちゃイケ」を考えれば、この回の放送の出来は、総じて良かった。視聴率こそ11%台と、必ずしも芳しいものではなかったが、黎明期から「めちゃイケ」を引っ張ってきた片岡飛鳥氏が手ずから演出と編集をしているのではないかと思わせるぐらい、往年の「めちゃイケ」を感じさせるものだった。
オンエアでは、山本の現在の活動を隠し撮りしてイジる。番組からドッキリを仕掛けてイジる。その途中途中でナイナイ岡村が主役のミニコントが挟まり、基本的には全部、笑える内容でまとまっていた。
番組の終盤は、相方・加藤浩次に山本を説教させての「感動」路線だった。10年の思いが詰まった当事者全員の涙に、「めちゃイケ」ファンの筆者も感極まる思いであった。もちろん、「めちゃイケ」ファン以外にはこの感動が分からないのではないかという危惧もあったが、現在の「めちゃイケ」を見ているのは、筆者のような昔からの「めちゃイケ」ファンが多いだろうから、それはそれで問題ないのだろう(もちろん、別の問題はあるのだろうが)。
【参考】<復帰?それとも一発?>山本圭壱が7月30日「めちゃイケ」に登場
筆者としては「めちゃイケ」にこのような「感動」が混じるといつものように「笑いに徹すべし」という苦言を述べたいところである。しかし、今回に限っては、まずは山本に10年前の騒動を謝らせる必要があり、「笑い」でまとめてヘラヘラした感じにするわけにもいかないだろうから、「感動」にせざるを得ないという事情があったのだろうと推察される。
示談が成立している10年も前の件であるにもかかわらず、彼を復帰させるためにはまだこんなにも謝らせなければならないのかということを考えると、少し意外ではある。とはいえ、本当の実態はよく分からないのでこれ以上感想を述べることはできない。ただ、吉本もフジテレビも実態の見えない「クレーマー」に怯えすぎではないかという気もする。
番組の最後には、極楽とんぼのライブを告知していた。ナレーションは、山本はそのライブのことをこの収録で初めて聞いたと言っていたが、実際のところはどうだか分からない。
山本はライブの件を加藤から既に聞いており、オンエア中の加藤とのやりとりに関しても事前に十分打ち合わせをしていた可能性もある。だとすれば、「マジ」に見えたあのシーンは台本通りの芝居だったことになる。
しかしながら、もしあの場面が台本通りの芝居なのだとしたら、「マジ」に見える演出ができていた、ということだ。逆に、あれが「マジ」だとしても、その本気が視聴者にも十分に伝わってきたのだから、見事なものである。
いずれであったとしても、それは番組を作るスタッフと演者の手腕に他ならない。今後の「めちゃイケ」に期待したい。
 
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