3つの爆笑が番組を締めた「ダウンタウンの絶対に笑ってはいけない」
高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
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わが家の大晦日の恒例は、ここ何年も同じ。小さなテレビでNHKの「紅白歌合戦を流し、大画面の方では日本テレビの「ダウンタウンの大晦日年越しスペシャル!! 絶対に笑ってはいけない科学博士24時!」を見る。
家族で主に見る番組がどちらになるのかは違うが、筆者はダウンタウンがベースである。
今年の「絶対に笑ってはいけない科学博士24時!」は18時30分~24時30分と言う6時間の番組の中に3つの爆笑ポイントがあったために非常に締まった番組となった。
1つは「ジミー大西の酔っ払い&寝姿ウォッチング」である。この番組は芸人・ジミー大西の使い方を間違えることが多いが、今回は芸人・ジミー大西を扱うことを止め、ヒト・ジミー大西の観察ネタにして成功した。
*居酒屋にひとり来たジミー大西、酔う。スケベ心全開になって女将を口説く。
*飲み過ごしたジミー大西、信じられないスピードでコトンと熟睡。
*ジミー大西、奇妙な声を発しながらベッドで熟睡。その声をスーパーでフォローする。
「バウッ ガウルルルルルル バウッ ガウルルルルルル」「ワン」
このスーパーフォローはある種のマジックである。実際にそう発声していなくてもスーパーがかぶると、文字通りに聞こえてしまう。人間の頭脳は文字情報の方にミスリードされてしまうのである。
もうひとつの爆笑はダウンタウンのマジボケ。2チームに分かれて、拍手をしながらリズムに合わせて山手線ゲームをやる。宮迫博之チームのテーマは「浜田雅功を褒める」である。
パンパン(拍手)宮迫博之「ツッコミがうまい」
パンパン(拍手)東幹久「とても優しい」
パンパン(拍手)カンニング竹山「とても明るい」
パンパン(拍手)浜田雅功「シュッとしている」
一同激しいだめ出しのツッコミ。
一方、藤本敏史チーム、テーマは「蛭子能収を褒める」だ。
パンパン(拍手)藤本敏史「まんがが面白い」
パンパン(拍手)松本人志「バスによく乗っている」
一同激しいだめ出しのツッコミ。
【参考】大晦日「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」は「紅白歌合戦」と同じ轍を踏むのか?
昔のダウンタウンならこういう構図ではマジボケではなく、考えぬいた瞬発力のあるボケで笑いを取っていただろう。ツッコミがあって笑いになるマジボケ。そう言う意味で爆笑である。
3つ目の爆笑、劇薬をこっそり作った容疑者の顔が光る。その後は蝶野のビンタが待っているのが、お約束。その際。犯人と睨まれている月亭方正の顔がブラックライトで光る様子が半端ない。これはスタッフお見事の笑い。蝶野の方正へのビンタは、もう面白くない。
この3つの爆笑を見られただけでも6時間つきあった元が取れたというものだ。
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