<腐敗の根源>犯罪もみ消し山本特捜部長の栄転が物語ること -植草一秀


植草一秀[経済評論家]

***

日本の腐敗の根源は、政治権力が刑事司法とマスメディアを支配していることにある。この二つが正統性のない安倍内閣を存続させる原動力になっている。

そしてもうひとつ。日本の主権者がこのトリックを見破れずに、メディアの誘導に流されてしまっていること。もっとも根源的な問題点は、この第三の点にある。

安倍内閣の支持基盤は極めて脆弱である。しかし、現行の選挙制度の下では、「安倍政治を許さない!」側の主権者と政治勢力が、現状を打破する戦術を構築しないと、脆弱な基盤の安倍政治が存続してしまう。日本は没落し、国民生活は破壊される。この道に突き進んでいる。事態を打開するカギは、主権者である国民が賢くなること。そして、行動することである。

安倍政治は刑事司法とマスメディアを支配している。このことによって、とっくの昔に消えていなければならないはずの安倍内閣が存続してしまっている。安倍内閣は犯罪内閣であると言っても過言でない。森友学園に10億円の国有地をタダ同然で払い下げた。これに関連して14の公文書の300箇所を改竄した。虚偽公文書を作成したのである。佐川宣寿元理財局長は国会で偽証した疑いが濃厚である。

加計学園への獣医学部新設認可は、適正な行政プロセスを欠いた不正なものである。このような認可を肯定するわけにはいかない。しかし、安倍内閣は検察と裁判所を不当に支配し、検察と裁判所は法の番人ではなく、政治権力の番人に成り下がってしまっている。佐川宣寿元理財局長は国税庁長官に抜擢され、森友事案を無罪放免にした山本真千子大阪地検特捜部長は函館地検検事正に抜擢された。

腐敗臭が立ち込めている。日本の警察と検察には法外な裁量権が付与されている。重大な犯罪事実が存在するのに、犯人を無罪放免にする裁量権と犯罪事実が存在しないのに、権力にとって目障りな人物を犯罪者に仕立て上げる裁量権である。そして、法の番人であるはずの裁判所が、本来の機能をまったく果たさない。裁判所も腐敗し切ってしまっているのだ。人々が入手する情報はマスメディアが提供する。

そのマスメディアが権力の手先になっているから、主権者である国民は真実の情報を知り得ない。世論調査結果ももちろん操作されている。犯罪内閣の犯罪が摘発されず、真実とかけ離れた情報が情報空間を占拠し、主権者の多数が完全に騙されてしまっているのだ。

植草一秀の公式ブログ『知られざる真実』はコチラ

【あわせて読みたい】

The following two tabs change content below.
植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。