<ゲームクリエイターもハマらせる渾身のリズムゲーム>「シアトリズムドラゴンクエスト」はあの頃の思い出に戻れるタイムマシン


八坂亮[ゲームクリエイター]

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最近、筆者の休み時間は「ニンテンドー3DS漬け」である。何を遊んでいるかと言うと先日発売された「シアトリズムドラゴンクエスト」(以下、シアトリズムDQ)。このゲームが、とにかく面白い! そりゃあもう、どっぷりとハマってます。

「シアトリズムDQ」がどのようなゲームかといえば、国民的RPG「ドラゴンクエスト」の数々の名曲で遊ぶというリズムゲーム。過去には「ファイナルファンタジー」の楽曲で遊ぶ「シアトリズムファイナルファンタジー」が2作発売されているので、「シアトリズム」という単語でゲーム内容がピンとくる人も多いかもしれません。

■ まるで、あの頃に戻れるタイムマシン

「ドラゴンクエスト」の楽曲一つ一つにはプレイヤーの思い出が秘められています。「シアトリズムDQ」を遊んでいると、楽曲と共に、そんなかつてプレイした「ドラゴンクエスト」の思い出の数々が体中を駆け巡っていく不思議な感覚を味わう事ができます。

思い出といってもゲームの中身ばかりではなく、友達と攻略法を語り合った時間や、誰よりも早くクリアしようと寝る間も惜しんで遊んだ日々等々。生活がドラゴンクエスト一色だったあの頃の全てが次々と湧き上がってくるから面白い。

さながら、タイムマシンのような存在です。これぞ、長い間多くの人に楽しまれてきたゲームならではの体験なのではないかと思います。

■ 思い出と密接につながる音楽

「シアトリズムDQ」で前述のような体験ができるのは、「音楽」を扱った物である事が最も大きな要因です。

ゲームにおける音楽はプレイヤーの感情をより盛り上げるための「仕掛け」。例えば、強敵から逃げるような緊張感のある場面で、無音の状態で逃げるのと、緊張感を煽るような音楽を聴きながら逃げるのとでは焦る気持ちや緊張度合も全く違います。

音楽が仕掛けとして上手く機能し、プレイヤーの気持ちとシンクロする程、印象深い体験となって心に刻まれます。これが、音楽が思い出を発生させる時の役割です。そんな思い出のきっかけになったような音楽を聴けば当然当時の気持ちを揺り戻す事だって可能。音楽は思い出を作る事、思い出す事の両方に大きな効果を持っているのです。

ドラゴンクエスト」の音楽は、特に場面とのシンクロ感が抜群で、多くの場面を盛り上げてきました。言い換えれば、それだけプレイヤーの心に思い出を残し続けてきたという事。そんな「ドラゴンクエスト」の音楽でリズムゲームを遊んで気持ちが揺さぶられるのは至極当然。むしろ反則技と言えるのかもしれません。

 ■ 思い出を壊さない丁寧さ

「ドラゴンクエスト」の音楽には価値があり、人の心に訴える力が強い・・・という事を語ってきましたが、とにかく音楽をならせばOKという話ではありません。大事な事は「プレイヤーの思いを壊さない」ことです。

前述のように、音楽と場面には密接な関係にあり、それらはセットでプレイヤーの思い出となっています。音楽と場面の組み合わせが、思い出に残っているセットと違う違和感は、単純に音楽と場面が合わない時のそれを遥かに凌駕します。

いくら反則技といっても、空振りしてしまえば何の効果もないという事です。空振りどころか、もしかするとそのコンテンツ自体の価値を下げてしまう可能性だってあります。

「シアトリズムDQ」の凄さはここにあります。楽曲それぞれに対して適切な場面やキャラクターを用意する等、プレイヤーの思い出を壊さないようにする事がとにかく徹底されています。先日PS3とPS4で発売された「ドラゴンクエストヒーローズ」の「とにかく音楽をならせ!」と言わんばかりの音楽の起用法に疑問を感じていた事もあり、丁寧な仕事ぶりがとても好印象です。原作への愛を感じます。

 ■ そして、まだまだ冒険は続く

「シアトリズムDQ」に収録されている楽曲は約60曲。「ドラゴンクエスト」が10作ある事を考えると平均6曲ずつしか楽曲が収録されている事となりますが、今後もダウンロードコンテンツとして無料で楽曲を追加していくとの事。しばらくの間はこの音楽による冒険の旅を続ける事になりそうです。

 

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八坂亮

八坂亮(やさか・りょう) ゲームクリエイター 1986年、大分県生まれ。大手ゲームメイカーにて、家庭用のゲームソフト開発を行う傍ら、『らくがきラボ』名義でスマホ向けゲームも開発にも従事。一人でも多く人に「ゲームが楽しい」と感じてもらえるよう日々精力的に活動中。