<小さい病院では保険適用外?>うつ病の誤診を減らす「光トポグラフィー検査」に前向きな取り組みを


松井宏夫[医療ジャーナリスト]

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「光トポグラフィー」をご存知だろうか。

これは精神科に多い「うつ病の誤診を減らす診断補助の医療機器」と支持されているものである。これが先進医療となり、日本では精神疾患のうつ病の診断がグンとレベルアップした。

日本はうつ病患者が90%と診断されていたが、世界では45%程度。

これが診断補助の参加によってうつ病の半分近くが双極性障害(そううつ病:bipolar disorder)であることが分った。薬漬けになっている患者の多かったうつ病が、より正確に前向きに診断・治療が行われるようになってきたのである。

この光トポグラフィー検査は、近赤外線を使って脳の血流量を測り、それをグラフ化するのである。そのグラフによって「うつ病」「双極性障害」「統合失調症」「健常者」が高確率で分かる。もちろん、あくまでも診断補助である。

その有効性が分かり、2009年から先進医療だったものが、14年4月から健康保険の適用となったのである。誤診を少なくするために、どんどんクリニックでもこの医療機器が取り入れられて診断補助に使われると、人生を薬漬けでダメにする人は減少する。そう思った医師や医療関係者、患者は少なくなかった。

だが、ふたを開けると健康保険適用とそうではない医療機関がある。医療機関側でクリアしなければならない基準があったのである。

いろいろあるものの、規模の小さなクリニックでは保険適用にはならないようなのである。これは「医療の質」を上げるには決して前向きな方法ではない。患者は近くのクリニックで、まずは確実な診断治療を期待しているのである。

そこがしっかり対応されていないのではないだろうか。

 

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松井宏夫(まつい・ひろお) 医学ジャーナリスト 1951年 富山県生まれ。中央大学卒。日本ドキュメントフィルム助監督、『週刊サンケイ』を経てフリーに。最先端医療やがん医療を精力的に取材。名医本のパイオニア。日本医学ジャーナリスト協会幹事、東邦大学医学部客員教授。最新刊に『がんと闘う!名医と最新治療』(主婦と生活社)。著書多数。