<よく言った。それをお前が、やってみろ⑤>ダメなテレビ番組の治し方「足し算では治せない」
「ダメなテレビ番組の治し方」と題したこの記事のタイトル。もちろん、「治す」は「直す」の間違いではない。
このシリーズでは「視聴率の取れないテレビ番組」を治す処方箋について書いている。「視聴率は悪くてもいい番組」という考え方はとりあえず放っておく。
僕の知っている直し方は3つ。「引き算で治す」「割り算で治す」「掛け算で治す」である。
「足し算で治す」方法はない。
なぜ、ないのか。
リンゴ3個と、ミカン3個を足したら合わせていくつだろう。6個という答えが間違っているのは、もうお気づきだろう。リンゴとミカンは違うものなので足せない。いつまでたっても3個と3個である。
このたとえのように、異質なものを足しただけで時間を埋めている番組のいかに多いことか。異質なもの足すときは強力な接着剤が必要である。優れた演者や、構成力がそれにあたるが、できれば、そんな不必要な出費(有名タレントのギャラ)や無駄な努力(構成を決めるための打合せ時間)は節約したほうが良いに違いない。
ダメな番組を治す時もこの足し算の間違いをよく犯す。今までのダメなところをそのままにして、新コーナーを立ち上げたりするのである。やみくもに新たなキャスティングをしたりするのである。できるという噂の放送作家に騙されたりするのである。あちこちからスタッフを集めてきて、誰が決定権者か、わからなくしたりするのである。
足し算は最悪である。
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