<偽造、ねつ造、あべ晋三?>桜ばかりか、安倍事務所の怪しい領収書が続々

社会・メディア

両角敏明[元テレビプロデューサー]

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『偽造!ねつ造!あべ晋三!』は共産党・吉良よし子議員の鉄板ネタですが、いま話題の「桜を見る会・前夜祭」の領収書問題に加えて、安倍総理がらみの領収書に数々の偽造!ねつ造!の疑いがあることを「FRIDAY」と「FRIDAYDIGITAL」が伝えています。

例をあげます。

*2012年のコンパニオン派遣会社「マインドプランニング」発行の84,000円の領収書と、2018年の焼き肉店「やすもり」発行の180,000円の領収書は、宛先の筆跡が同じです。すこぶる個性の強い筆跡で間違えようがありません。

*この「マインドプランニング」の領収書とぐ料理店「天白ひらこし」発行・26,017円の領収は、金額・日付の筆跡がきわめてよく似ています。

*住吉神社、中山神社、厳島神社など17の神社へ支払った会費3,000円の領収書はすべて、同一用紙、日付部分の筆跡も同じ、宛先印も金額印もまったく同じです。安倍事務所が作成した領収書に各神社印を押させた領収書であることは間違いありません。

どれも一般の企業なら「これは経費で落ちません!」し、有印私文書偽造罪という指摘もあります。調べればまだまだ出てきそうで、総理を支える安倍事務所の領収書の取り扱はかなりいい加減なようです。

さて注目の「桜を見る会・前夜祭」領収書の話です。安倍総理が予算委員会であっと驚くとんでもないことを言い出しました。

「前夜祭は安倍後援会の主催でホテルと打合せもしたが、ホテルとの契約者は参加者個人個人」

「募る」と「募集」に続いてこの屁理屈には誰もがビックリです。およそ800人が契約に基づいて5,000円を支払い、全員がホテルから領収書を受け取ったのなら、いまやインスタ映えするはずのこの領収書が1枚も世の中に出て来ないのはとてもフシギです。総理は「領収書はネット上に出ている」と言うのですが、筆者の拙い検索力で見つかるのは古い2枚の領収書だけです。実はこの領収書も少しアヤシゲです。

[参考]<桜を見る会>ウソと「ならば、ならば」の攻防戦

筆者の知る限り、これまで世に出た「桜を見る会・前夜祭」の領収書は、2015年4月17日分(毎日新聞)と2018年4月20日分(朝日新聞)の2枚で、ネット上にあるのもこの2枚です。どちらもホテルニューオータニ名で発行された同型で同書式、おそらくカーボン仕様でDR№が付され、PAID印が押されています。金額5,ooo円と日付は手書き、宛名は空欄です。摘要欄は2015年分は空欄、2018年分は手書きで〝お食事代〟とあります。発行日が3年離れた2枚の手書き金額の筆跡はきわめてよく似ています。

前夜祭の領収書問題ですが、昨年11月に問題が発覚した当初はとてもシンプルだった総理の説明は、時とともに進化して最新の説明は妙に詳細です。

「約800人、400万円分の会費を安倍事務所スタッフが受け取り、その場でまとめてホテル側に渡した。安倍事務所に収支は発生していない。ホテル発行の宴会場の領収書は、カーボンコピー仕様で領収書ナンバーが記載されており、担当者の名前、金額、日付は手書き、宛先は空欄」

この答弁なら毎日と朝日の過去の領収書と合致しますが、予算委員会では野党議員が様々な疑問をぶつけています。今井雅人議員は毎日・朝日の2枚は偽物ではないかという説もあるとしながら、野党の追及チームがホテルニューオータニに確認した時に「領収書の金額を手書きすることはないし、宛先を記入していないものは出さない」とホテル側が説明したと主張します。

安倍総理の言う、主催者でもないホテルが宴会参加者ひとりひとりと個別の契約を交わし、担当者名・金額・日付を手書きした800人分の領収書を用意して宛先白紙のまま渡した、などというおよそ非常識な事が事実なのか、野党の調査結果が事実なのか・・・。

ここまで大きな問題になったらニューオータニにも説明する社会的責任があるのでは。もし安倍事務所の違法、脱法の片棒を担いだとなればコンプライアンス上の責任を問われます。

法的な問題とともに、もし本当に安倍事務所が「主催は安倍後援会だが契約はホテルと参加者個人」などという、爆笑ものの形式をとったのなら、それは何故でしょうか。どなたもたった一つの答えしか思い浮かばないのではないでしょうか。政治資金規正法上の収支報告書記載義務から逃れたいから。

ではなぜ記載から逃れたいのかと言えばこれも答えはただ一つ、5,000円では収まらない費用を安倍総理側が補填した公職選挙法違反がバレるから。どなたか、それ以外の合理的な理由が考えられますか? こんな強引なやり方を押し通すところが、さすが長期政権で驕る安倍一族し、もしこれにニューオータニも加わっているなら、誰にでも分け隔てなく最高のサービスを提供すべき一流ホテルとしての誇りをドブに捨てた権力へのおもねりでしょう。

このほかにも安倍事務所にからむ様々な疑いが次々と表面化しています。中国新聞が書いた「桜・前夜祭」とそっくりな「新春の集い」の疑問。これはプーチン大統領も宿泊した地元老舗旅館で刺し身、揚げ物、ビール飲み放題、バス送迎付きで会費3,000円は安すぎるという、どこかで聞いたような話。

「FRIDAY」では赤間神宮が会費として受け取った30,000円が宗教行事への寄附行為で公職選挙法違反ではないかという指摘と、この領収書は安倍サイドが作成したとしか考えられない疑惑を指摘しています。また、下関市立大の私物化疑惑も表面化するなど、安倍一族周辺からはまだまだ膿疑惑が続きそうです。

くり返し問題をおこす者がいて、それを諫める者がいる時、『いつまでそんなことをやっているんだ!』と咎めるべきは、次々と問題をおこす者の方です。

 

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