<「一発もない屋」たちの嫉妬?>高橋ジョージの収入・豪遊自慢を批判する人たち
矩子幸平[ライター]
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歌手でタレントの高橋ジョージが、5月24日に放送されたTBS「Momm!!」において、過去の最高年収が16億円(当時36歳)であったことを明かし、中居正広ら出演者を驚かせた。
また、その当時、六本木の高級クラブで1日で最高6000万円を使ったことも語り、その「豪遊ぶり」でさらに驚かせた。ボロボロのジーンズで来店した際に、入店を断られたことを腹を立て、店を貸し切った結果6000万円になったという。
番組終了後、高橋の年収16億円・6000万円豪遊エピソードについて、インターネットを中心に、
- 「ピーク時の豪遊自慢しか話題がない」
- 「ヒット曲『ロード』の一発屋で稼いだエピソードしかない」
- 「何もない現在なだけに、過去にすがるしかない」
- 「(過去のヒット話しかなくて)哀れだ」
といったような批判が散見された。もちろん、上記のような批判や感想は、間違ってはいないにだろうし、的も得ている。
一方でそれらの批判を読み、「一発屋のミュージシャンがピーク時の収入や放蕩を自慢して何が悪いの?」と思ってしまった人も少なくないはずだ。生存競争の厳しい芸能界で、多くの芸能人が自らの血と肉を削って頑張っている。十分な話題やニュースもなく消えてゆく人も多い中で、「一発」でも話題があるだけで十分ではないのか、と。
【参考】炎上ブーム時代のテレビ作り『だからデザイナーは炎上する』
しかも、高橋ジョージのバンド「THE 虎舞竜」が出した最大にして唯一のヒット曲「ロード」(1993年)の売り上げは335万枚。発売から20年以上たった現在でも、カラオケ利用による相当な収益があるという。
「一発屋」とはいえ、その数字はとんでもない記録だ。人生のたった一発であっても、十分すぎるほどの一発といっても過言ではない。芸能人を含め、ほとんど人が「小さな一発」さえもなく、その人生を終えてゆくのが現実だ。一発があるだけでも十分だろう。ましてや高橋ジョージの場合は「超弩級の一発」なのだ。
ちょっと冷静に考えてみれば、一発屋タレントがピーク時の年収や放蕩っぷりを過剰にアピールすることで話題や注目を集めるテクニックは、演出上の常套手段だ。その意味で、今回の話題は、高橋氏のもくろみ通り(?)の注目を作ることにも成功したわけだ。
そんな高橋の炎上演出にまんまとのせられ、多くのネットユーザーが話題拡散に助力した。いわば彼らの批判活動自体が、高橋の技術に利用された結果だと言えるだろう。批判であれ悪口であれ、話題にすればするほど、潤うのは高橋ジョージなのだから。
高橋のようなキャラクターを批判し嫌悪する「一発もない屋」たちのメンタリティを考えてみると、それが単なる「嫉妬」であることに気づかされる。「たった一発」にもかかわらず、自分の人生を10回繰り返しても高橋に遠く及ばない生涯年収だ。それを思えば嫉妬もしてしまう。一発を当てることがいかに難しいことであるかも理解せず、しかも自分がそんな「たった一発」さえないことを棚に置いて、だが。
批判が嫉妬心の裏返しなのだとすれば、それはそれで、過去の栄光にすがる高橋以上に、「一発もない屋」たちが、なんとも哀れに見えてくる。いづれにせよ、高橋を批判する「一発もない屋」たちよりも、一発屋・高橋ジョージの方が一枚も二枚も上手であることは間違いない。
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