<日本の選挙のやり方に疑問>政党や派閥や空気で決めてはならない[茂木健一郎]

政治経済

茂木健一郎[脳科学者]
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参議院選挙が、7月10日に迫っている。ポスター掲示板の前を通るとき、「さて、どうしよう」と考える。日本の将来を決める重要な選挙だから、きちんと考えて投票したい。
一方で、日本の選挙のやり方については、大いに疑問がある。まずは、候補者の選考の仕方。知名度優先の候補者選びが批判されているが、つまりは、各政党が、きちんと候補者選びに時間と資源をつかっていないということだと思う。
そもそも、各党の候補者選考においては、人物だけでなく、政策立案能力や、演説する能力、人柄などを、各党の内部でできれば投票して、決めるべきだろう。世襲で、次はこの人が継ぐ、などということが空気で決まるというのは最悪である。
また、本来、各政党の党首、代表は、党内で、政策を闘わせ、人格が精査され、そのヴィジョンが問われた上で、実質的な競争を経て決められるべきだろう。派閥や、空気や、禅譲といったことで選ばれるべきではない。
【参考】<政治資金使途を参院選の争点に>舛添騒動でわかった「政治資金規正法はザル法」
日本の政治プロセスを見ていると、人材の切磋琢磨、真摯なる競争、そして実質における選別がきちんと機能していないように感じる。アメリカでオバマ氏が急台頭した時のような、政策や人柄における実質的なスターが生まれにくい。
機能していない日本の政治の人材登用プロセスで、唯一、有権者がかかわることができるのが選挙である。ここでも、雰囲気やイメージやなんとなくで選ぶ方がいらっしゃるようだが、それでは、ダメな政治プロセスにとどめをさすことになる。
各候補者の人柄や政策、ヴィジョンを考慮し、実質におけるベストの選択をする。そのような一人ひとりの選択が実際に国を動かすことは、今回の英国のEU離脱でもわかったことである。
今回の参議院選挙を、日本では珍しい実質選択の機会として、活用したい。

(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)

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