若さあふれる荒削りが見せる「劇団うらら」第三回公演『踊はつらいよ』

映画・舞台・音楽

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
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花柳輔蔵が座長を務める「劇団うらら」第3回公演『踊はつらいよ ニートの子守唄』の稽古を見に行った。下北沢シアター711で8/15(火)〜8/20(日)まで開催される公演を一週間後に控えて、その日は通し稽古が行われた。
まず、圧倒されるのは若さの爆発である。出演の三宅祐輔(輔蔵・劇団うらら)、鈴木祥二郎(ねじリズム)、石川シン(ねじリズム)、押田佐代子(欽ちゃん劇団)、江原由夏(扉座)、野田翔太(扉座)は皆荒削りだが若さあふれるパフォーマンスを見せる。
【参考】<アニメ「君の名は。」は残念?>無理のある「とってつけたような設定」に違和感https://mediagong.jp/?p=20469
このなかで、筆者のイチ押しは巨女・江原由夏の迫力満点のキレキレダンスである。見ていると老境の筆者にも力がみなぎってくる。
舞台は輔蔵の日舞と笑いを融合した新感覚の人情喜劇である。妙味はこの融合の成果であるが、無理なく笑いにつなげる輔蔵の演出は見事である。まだまだ、構成に工夫のしがいのある芝居ではあるが、きちんと初日に間に合わせて来るに違いない覇気が見える、
シアター711から、ザ・スズナリ、本多劇場と歩んで行く。下北沢劇場双六のまだスタートラインに立ったばかりの「劇団うらら」であるが、この厳しい芝居の世界でダッシュを決めるだろう。
 
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