キンコン西野「素人が考えた斬新さ」はプロにとってはただの迷惑

エンタメ・芸能

西野亮廣[キングコング/漫才をする絵本作家]
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90分〜100分の一人喋りのライブをデビュー当時から、月に2〜3度ほど続けておりまして、たぶん、お喋りは上手な方だと思います。
早い話、普通に音響を整えていただいて、普通に照明を整えていただいて、普通に90分間、マイクを渡していただければ、120%お客さんを満足させる自信があるのだけれど、素人さんに主催を委ねると、「普通」をやらずに(やれずに)、不思議な演出や、変なコーナーを挟んだりして、その分、お喋りの時間が削られ、客席は「主催者のエゴ、要らねーから」という空気で包まれる。

「どうですか、斬新でしょ?」

と、そのまま食べれば美味しい新鮮な魚に、大量のケチャップをかけるようなことをしてしまう。「手を加えること」を《やりがい》としてしまいがち。
【参考】キンコン西野「居酒屋で愚痴を言うぐらいなら会社を辞めろ」
ただ、主催者さんの「何かしたい!」という気持ちは、すごく良く分かる。「他とは違う」を出したくなる気持ちも、すごく良く分かる。
しかし、その代償として、プロの才能や時間、お客さんが求めているものを削っているわけだ。プロのお喋りを聞きに来ているお客さんは、「普通」にプロのお喋りが聞きたい。
先日の大阪公演は、素人の方(主婦)が開催してくださったんだけれど、「普通」にやらせてもらえた。普通にマイクを渡されて、普通に90分を委ねてくださった。
それは、お客さんが一番求めていたことで、とても嬉しかった。「普通」ができるのが一番スゴい。
楽しかったな、ホントに。
 
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