<日本を美容医療大国に(5)>有名ドクターが教える!信頼できる美容医療クリニックの見分け方

社会・メディア

岡部遼太郎(ITライター)

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美容医療の市場の拡大が著しい。2023年は前年度比で108%の成長となり、コロナ禍期の2019年度から比較して、なんと145.95%増の5940億円という驚異的な成長率を見せている。本年2024年度はさらなる成長が見込まれている。

本誌ではこれまで、急成長する美容医療業界の現状と課題、またその可能性について4回にわたり取材してきた。(「美容医療業界はレッドオーシャン?」「整形は自己責任?」「美容医療の信頼性」「これからの美容医療クリニック経営https://mediagong.jp/?p=33897」)

急成長する一方で、思いがけないトラブルが起きているという声も聞く。美容医療業界の特殊な状況はなかなか外からでは見えづらい。第5回となる本稿では、一般社団法人AND medical group(代表理事・草野正臣)の代表医師として急成長する日本の美容医療業界を牽引する河合成海医師から、「良いクリニック/信頼できるクリニックの選び方」について話を聞いた。

(以下、インタビュー)

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ITライター・岡部遼太郎(以下、岡部):美容医療市場の拡大とともに、クリニックも急増しています。全国展開をする有名クリニックから地域に根付いたクリニックなど形態は様々です。どのクリニックが良いクリニックなのか、なかなか素人では判断するのが難しいと感じています。今回は、「良いクリニック/信頼できるクリニックの選び方」についてお話を伺わせてください。

AND medical group代表医師・河合成海医師(以下、河合医師):医療機関に限った話ではありませんが、市場が拡大すると、自ずと様々なクオリティのものが散見されるようになります。厳しい法規制のもとにある医療業界では、クオリティの低いクリニックが多数を占める状況には、原則的にはなりにくいと考えています。とはいえ、患者様が「より良いクリニック選びたい」と願うことは当然のことだと思います。。

岡部:今の時代、SNSで多くの口コミがありますので、クリニックに限らず評判が悪いものは、すぐに可視化されるので、わかりやすいですよね。むしろ、私たち消費者としては、埋もれてしまって見えづらくなってしまう「良いクリニック選び」を見極めるコツが知りたいですね。

河合医師:結論からいえば、良いクリニックの条件は人によってさまざまです。ドクターとの相性や、地域性なども満足度に反映するので「Aさんには最高だったけど、Bさんには合わなかった」というケースは少なくありません。

岡部:なるほど、難しいですね。

<見極めポイント1:信頼に足る実績があるか?>

河合医師:そういった前提を踏まえた上で、私の考える効果的な「良いクリニック/信頼できるクリニックの選び方」についてお話します。まず第一に信頼に足る実績があるかどうかです。クリニックの説明の際に、実績ベースの表現を用いているクリニックは安心できると思います。

岡部:具体的にはどのようなものでしょうか?

河合医師:医療技術は日進月歩で、日々、新しい技術や機器が生まれています。「こんなすごいことができるのか」と思わされることは少なくありません。しかし、何の根拠もなく「新しい技術、機器を使っているから良い」とはなりません。

岡部:「良いクリニック/信頼できるクリニック」は、実績を示さずに「新しい技術や機器、サービス」の宣伝のようなことはしない、ということですか?

河合医師:私はそうだと思っています。最新機器や新しい技術を取り入れることよりも、実績を積み上げていく方がはるかに難しいです。実績は、たくさんのお客様に誠実に対応をし、選ばれ続けていった結果です。たくさんのお客様に選ばれ、評価されているという客観的で信頼性のある事実を多く有しているクリニックこそが、良いクリニックだと言えるでしょう。

岡部:「たった1回で劇的に変わる」「期間限定で大幅割引」といったフレーズに惹かれる方も多いと思いますが、こういうのは注意が必要でしょうか?

河合医師:もちろん、美容医療の中には一回で終わるものもありますし、期間限定のキャンペーンはあります。一概にそういうことが悪い、危険というわけではありません。そのようなキャッチフレーズだけで判断せず、しっかりと実績ベース、キャリアベースで納得できることが重要です。

岡部:確かに、AND medical groupでは、河合先生のキャリア15年、手術実績2万件といったように、実績ベースでの説明をしていますよね。

河合医師:患者様に安心して選んでもらうためには、実績以外にはありません。AND medical groupには私だけでなく、統括医師として韓国の美容医療の名医32人に選出されている日中韓のトリプルライセンスを持つトップドクターの林鍾学先生もいます。「良いクリニック/信頼できるクリニック」のホームページには、必ず、そのクリニックや所属しているドクターの先生方の実績や実力、得意分野が書かれていますから、チェックしてください。

岡部:今は、どんなクリニックでもホームページやSNSがあるので、チェック自体は誰でもできますよね。

<見極めポイント2:アフターケアの説明は万全か?>

河合医師:第二の見極めポイントは、施術後のアフターケアについて、しっかりと説明ができているか、あるいは評判が良いか、です。アフターケアに対して、どれくらいのエネルギーをかけているクリニックなのか。その点のチェックは重要な見極め箇所です。医学的なアフターケアだけでありません。何かトラブルや困ったことが起きた場合でも、迅速で適切な対応をしてくれるか。こういった点も確認が必要です。アフターケアが十分ではないクリニックは、ドクターとスタッフの連携に課題がある場合もあり、トラブル対応も遅くなるケースもあります。

岡部:そうですね。しっかりとした実績のあるドクターとアフターケアの完備したクリニックで受診したいと思う人は多いと思います。

<見極めポイント3:インフォームド・コンセントは徹底されているか?>

河合医師:三つ目のポイントとしては、いわゆる「インフォームド・コンセント(十分に情報を得たうえでの合意)」が徹底されているかどうかでしょう。

岡部:インフォームド・コンセントが徹底されているクリニックかどうか、ということはどのように判断することができますか?

河合医師:最近では、ネット情報やSNS、医療機関レビューも充実しているので、その辺りは参考になるでしょう。しかし、最終的には、実際に患者様が医療機関と話をして、信頼できるかどうか、を自分自身で判断することだと思います。すこしでも不安を感じたら、別のクリニックで話を聞くといったフットワークが重要かもしれません。結局、治療を受けるのは患者様ご自身ですから、ご自分が納得できるドクターから、納得できる治療をうけることできれば、自ずと信頼感も高まります。

岡部:つまり、インフォームド・コンセントが徹底してないな・・・と感じてしまうクリニックは避けた方が良い?

河合医師:「避けた方がよい」というよりは、「良いクリニックは何か?」を探す発想が良いと思います。ドクターも人間ですから、優れた技術を持っていても、饒舌なドクターもいれば、寡黙なドクターもいて、さまざまです。そこだけで一概に良し悪しは判断しきれません。ただし、積極的にインフォームド・コンセントを徹底しようと心がけているようなクリニックは、やはり「良いクリニック」と言えると思います。

岡部:これから美容医療を検討している方々に向けて、特に気をつけるべきポイントがあれば教えていただけますか?

河合医師: まず、自分のニーズや希望をしっかりと把握することが大切です。美容医療は、個々の要望やライフスタイルによって最適な治療法が異なるため、施術を受ける前に、自分が何を求めているのかを明確にしておく必要があります。また、施術のリスクや回復期間についても十分に理解することが重要です。たとえば、施術後のダウンタイムを甘く見積もって、重要なイベントの直前に施術を受けるのは避けるべきです。どのクリニックが自分に合っているかを見極めるために、時間をかけてリサーチし、納得のいく選択をすることが何より大切です。

(以上、インタビュー)

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美容医療の拡大とともに増加する医療トラブル。医療トラブルの回避は、単にクリニックだけでなく、治療を受ける患者の認識や準備といったことも重要なのだろう。いわばクリニックと患者の連携こそがトラブル回避の最大の予防策なのだ。

クリニックと患者がスムーズに情報共有できる環境が重要であり、そのような環境・関係を作ることのできるクリニックが「良いクリニック/信頼できるクリニック」であるということを、河合医師へのインタビューを通して再認識させられた。

河合医師がこういった高い意識を持ち続けた結果として、AND medical groupが4年間という短期間で26院ものクリニックを開院という成功につながっているのだろうということを改めて痛感した。

今後も本誌では急成長する日本の美容医療業界について、さまざまな切り口から取材して、報じていく予定である。

 

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