<圧倒的なポイント還元率>SBI、楽天を猛追!松井証券の強烈サービス
時田秀一(ライター)
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数年でここまで物価が上がり、生活費が高くなると誰が予想しただろうか? 都心のランチ代はもはや1,000円以下に抑える事が困難になってきている。そして実質賃金は頭打ちと読者も含め非常にシビアな経済環境にあるのは間違いない。
そんな中、厳しい環境を打破する政策として2024年から始まった新NISAにより、日本における投資機運が盛り上がっている。投資をする際にはまずは証券会社選びをする必要になるのだが、知識がない初心者ほど、「有名だから」「他の人が使っているから」などの漠然としたイメージで証券会社選びをしてしまいがちだ。知識がないからこそ、こういった選び方をしてしまうのは至極当然ではあるのだが、筆者としてはそんなもので証券会社選びをしてしまうのは、非常にもったいないと断言する。
なぜならどの証券会社で投資をするかによって、最終的に投資に付随して得られる大きな意味でのメリットが大きく変わってくるからだ。例えば、投資資金をクレジットカード経由で支払うことで、実質的には投資資金にクレジットカードのポイントをつけるクレカ積み立てや投資信託の保有額に対してポイントを付与するサービスなどがある。ただ、ユーザーの環境やライフスタイルに合わせたさまざまなサービスや企画が提供されており、投資初心者の証券会社選びはなかなか難しいのも事実だ。
SBI証券や楽天証券は有名グループ傘下の証券会社として知名度の高いネット証券ではあるが、知名度やイメージだけではなく、投資を通じて得られるメリットという観点で魅力的なサービスを展開しているネット証券にも注目が必要だ。
そこで今回はネット証券のパイオニアとして長らく業界を先導してきた松井証券について紹介する。松井証券といえば、創業1917年の老舗の証券会社でありながら、業態を対面証券からネット証券に切り替え、オンライン取引を専業証券会社として日本で初めて提供したネット証券の走りだ。近年、急速に投資商品の拡充やブランドリニューアルを推し進め、SBI証券や楽天証券と肩を並べる、第三極のネット証券として台頭している。
本稿では、老舗ネット証券としてのきめの細かいサービスと証券業界でも群を抜いたお得なサービスを展開し、SBI、楽天を猛追し、第三極となっている松井証券について分析してみたい。
<投資信託を持っているだけで貯まるポイント>
まず注目したい松井証券のサービスは「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」である。このサービスは、投資信託を預けた上で、毎月エントリーをするだけで、PayPay、dポイント、Amazonギフトカードなどに交換できるポイントが、投資信託の残高に対して最大で1%が毎月還元されるというものだ。この還元率はSBI 証券、楽天証券と比較しても圧倒的に大きい。
まずインデックスファンドを見てみる。 インデックスファンドでもっとも有名だと言えるeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)や、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に代表されるeMAXISシリーズにおける競合大手のポイント還元率は以下の通りだ。
松井証券:0.0175%~0.0600%
SBI証券:0.0175%~0.0500%
楽天証券:0%
投資初心者が最初に選ぶ投資先といっても過言ではないeMAXISシリーズにおいても、松井証券が最高水準のポイント還元率を見せる。
アクティブファンドにおいては、その差はさらに大きく、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型という銘柄でみると下記のようなポイント還元の差となる。
松井証券:0.75%
SBI証券:0.1%
楽天証券:0%
松井証券の圧倒的なポイント還元率が見て取れるだろう。このポイント還元率を侮ってはいけない。特別なことはせずただ、毎月エントリーをして投信を持っているだけで、毎月一定のポイントが付与されていく。本当に棚から牡丹餅が落ちてくるようなものである。投資上級者はこういった小さな積み重ねを決しておろそかにしない。小さくはあるが少しずつ積み上がってくるポイントの重要性を理解すればするほど、松井証券のすごみを実感することだろう。
<NISA、iDeCoの全銘柄がポイント還元対象>
しかも、この「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」は、NISA、iDeCoも対象となっている。そもそもiDeCoにおいて、取扱銘柄全てがポイント還元の対象となっているのは、多数あるネット証券の中でも、松井証券が唯一だ。
iDeCoについて補足を入れておくと、iDeCoとは自分で掛け金を運用し、資産形成をする年金制度だ。 iDeCoの運用期間中、掛け金は所得控除となり、運用収益はすべて非課税であるため、税負担を抑えつつ、将来のための資産形成ができる。将来に向けた計画的な資産形成をしていくのであれば、iDeCoは是非取り組んでおくべきだと筆者は考える。そのiDeCoにおいても松井証券は保有残高に対してポイントが還元されるというのだ。そんな iDeCoのポイント保有還元の状況を松井証券とSBI証券、楽天証券で比較をしたのが以下である。
松井証券:iDeCo対象、全39銘柄が還元対象
SBI証券:iDeCo非対象
楽天証券:iDeCo非対象
そもそもiDeCoの取扱銘柄全てポイント還元対象となっているのが松井証券のみである。この時点でこのサービスの業界内での希少性がわかる。 今後、iDeCoを用いて資産形成をしていきたいユーザーであれば、魅力的なサービスであり安定した資産形成を目指せば目指すほど、証券会社は松井証券一択になるといってもよいだろう。
<他社比較8.5倍!驚異のクレカ積立還元>
やはり初心者が注目したいサービスといえば、お手軽なクレジットカードを利用することで得られるリワード、いわゆる「クレカ積立」だろう。松井証券では今年2025年5月から満を持して、クレカ積立の提供を開始する。松井証券のクレカ積立のポイント還元率は最大1%と業界内でもそもそも高い。新しく開始をするサービスだというのに、ネット証券のパイオニアとしての松井証券の底力を感じる。だが肝心なのはクレカ積立だけのポイント還元ではない、これと先ほどの「投信残高ポイント1%還元」を併用することで、「業界最高水準」の還元率を実現しているのだ。
仮に、年会費無料カードによる還元率を適用し、月10万円で10年間積み立てた場合を見てみよう。アクティブ投信である「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」に積み立てた場合、競合大手のポイント還元額は下記のようになる。
松井証券:51.4万円
SBI証券:14.0万円
楽天証券:6.0万円
インデックス投信である「iFreeNEXT FANG+インデックス」にて積み立てた場合のポイント還元額は下記だ。
松井証券:25.4万円
SBI証券:14.0万円
楽天証券:6.0万円
アクティブ投信では最大8.5倍、インデックス投信では最大4.2倍となる。この還元率の高さは驚異的である。金額でいえば、アクティブ投信では最大45.4万円、インデックス投信では19.4万円の差が生まれてくる。この金額を大きいと捉えるか小さいと捉えるかは人それぞれではあるが、筆者は非常に高いと考える。こういった積み重ねが重要である、という考え方が投資をする上では抑えておかねばならないポイントだからだ。
なお、本稿で今回紹介した松井証券の「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」に関しては、こちらのページにも詳しくまとまっているので、(https://www.matsui.co.jp/fund/fund-value-point/about/)ぜひ参照していただきたい。
さて、松井証券が、安心できる投資パートナーとしての理解は十分に浸透しているものの、グループ傘下のネット証券会社と比べると、どうしても知名度が劣る印象を持っている人も多いだろう。露出という面では、SBIや楽天などのようなグループの経済圏をベースにした最大手の影に隠れがちかもしれない。 しかしながら、知名度だけで選ぶネット証券会社が、必ずしも、個人投資家にとって最適であるかは別の話だ。またグループ傘下という経済圏に縛られず、実利を追いたいという人も多いのではないだろうか?
自分の大事なお金を預ける証券会社だからこそ、イメージだけではなく、サービスの実態や自分がどのように資産形成をしたいかをふまえて、じっくり比較をして選んでみてほしい。そして本稿でも繰り返し伝えてきたように、安定した資産形成においては小さな積み重ねになるポイント還元の重要性を忘れてはならない。ポイント還元率の差によって10年後、20年後あなたの資産には大きく差が出てしまうからだ。だからこそ、証券会社選びをするときは、知名度だけでなく、実際のポイント還元がどれほどなのか、という観点でもしっかり見比べて決断をしてみてほしい。
そうすれば、おのずと松井証券が安定した資産形成にふさわしい証券会社であると見えてくるだろう。
本誌ではこれからも投資初心者を対象として国内の様々な投資サービス、証券会社などについて、詳細な取材を通して紹介してゆくのでぜひ、期待してほしい。
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