<松井証券の担当者に聞く>他社を圧倒する高還元のポイント活用投資術

ライフハック

土居聖香(本誌ライター)

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近年、クレジットカードで投資信託を毎月積み立てる「クレカ積立」がネット証券業界で注目を集めている。楽天証券やSBI証券などが先行し、「クレカでの投信購入時にポイントが貯まる」「毎月の入金手続き(銀行振込など)を省略できる」という手軽さで、多くの投資家の支持を得てきた。

そんな中、松井証券とJCBも新たに本格参入することが決まり、「クレジットカード決済の翌月にOki Dokiポイント(JCBが提供するポイントサービス)が貯まるだけでなく、貯まったポイントをそのまま投資に回せる」というニュースが投資家の間で話題になっている。

特に注目されているのは、2025年5月から始まるクレカ積立に先んじて、4月10日より始まったOki Dokiポイントから松井証券ポイントへの交換サービスだ。JCBのクレジットカード(株式会社ジェーシービーが発行するJCBオリジナルシリーズ)を利用することで貯まるOki Dokiポイントを、1ポイント=4円分として、投資信託の積立投資ができる、松井証券ポイントに交換ができるサービスである。「日常生活の中で自然に貯まるポイント」を「投資信託の購入に回す」という一連の流れがよりスムーズになり、より投資を生活に近づけるサービスといってよいだろう。

非常にうれしいサービスのように見えるが、実際のところ投資をする我々にとってはどのようなメリットがあるのだろうか。そこで本誌では、今回の松井証券とJCBによる取り組みについて、松井証券 マーケティング部長・増田雄亮氏に、その魅力と効果の実態について話を聞いた。

(以下、インタビュー)

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<松井証券の新サービスの取り組みの狙い>

インタビュアー・土居聖香(以下、土居):今回、松井証券さんとJCBさんがタッグを組んで新たなサービスを始めることになりましたが、取り組みのきっかけや背景を教えてください。クレジットカードのポイ活と投資を組み合わせることの狙いは何なのでしょうか?

松井証券 マーケティング部長・増田雄亮氏(以下、増田):近年、資産形成に対する意識は急速に高まっており、2024年1月に開始された新NISA制度をきっかけにその動きはいっそう加速しています。とりわけ投資信託は資産形成の入口にあたる商品であり、世間の注目度も高いです。

ただ、投資に慣れていない方にもおすすめとされている投資信託であっても、経験が少ない方にはまだまだハードルが高く感じられるのも事実だと考えています。既に発表している、クレジットカードで投資信託を購入する際にポイントが貯まるという取り組みだけではなく、何か更にお客様に満足いただける事がないか検討しておりました。

そこで、JCBさんと協議し、2026年から始まるOki Dokiポイントのリニューアルに先立ち、交換先ラインナップに松井証券ポイントを追加頂けることになり、ショッピングで得たポイントを投資に活用できるようになりました。そうすることで、投資で損をしてしまうのではないか?という不安を軽減し、初めて投資をする方でも投資信託にチャレンジしやすい環境を提供できると考えました。

土居:なるほど。今回の取り組みをきっかけに、投資に慣れていない方でもまずはチャレンジしやすい環境を作ろうとしているのですね。

増田:そうですね。ただ、狙いはそれだけではありません。もともと松井証券は、業界最高還元率を誇る「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」について、好評を頂いていました。投資信託を持っているだけで、ポイントが貯まる仕組みです。

ただ、クレカ積立においては出遅れている状況でした。そこで、JCBさんとご一緒することで、「クレジットカード決済の翌月に進呈されるポイント(クレカ決済分)と投信残高ポイント(松井証券で投資信託を持っている分)」の2重の還元が可能になりました。そこに「Oki Dokiポイントから、松井証券ポイントへの交換」が加わることで、よりお客様に寄り添った体制が構築でき、松井独自の強みを打ち出せると考え、今回本サービスの実現にいたりました。

<ポイント交換サービスによって生まれる投資効果最大化のサイクル>

土居: 今回のポイント交換サービスによって、クレジットカードを利用した時のポイントが投資信託の追加購入にそのまま使えるとなると、投資に慣れていない方でも「ポイントを活用して資産づくりができる」という楽しさを味わえそうですね。改めて今回のサービスについて、もう少し詳しく教えてください。

増田:クレカ積立においてOki Dokiポイントは、JCBの一般カードで最大0.5%相当、ゴールドやプラチナなどのプレミアムカードなら最大1.0%相当のポイントが貯まります(編集部註:ショッピング利用額が月5万円以上などの基準あり)。そこで貯まったOki Dokiポイントを、JCBの会員専用WEBサービス「MyJCB」から「松井証券ポイント」に交換可能になります。

クレカ積立で貯まったポイントだけでなく、普段のショッピングで貯まったポイントも交換することで、より効率的に資産形成が可能になります。交換レートは、1Oki Dokiポイントが4松井証券ポイント(=4円分相当)です。松井証券ポイントは1ポイント=1円として投資信託の積立投資ができるので、少額から追加投資をする際にも便利なんです。

土居:普段のショッピングで貯めたポイントを投資に活用できるとなると、投資がぐっと身近に感じられますね。他にも何か投資を効果的に進められるサービスがあるのでしょうか?

増田:弊社にはこの交換機能に加えて、先程申し上げた「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」があります。松井証券のポイントに交換をして、投資信託の購入に活用して投信残高を増やすことで、投信残高ポイントとあわせて、お客様にとって非常に良いサイクルが生まれます。

順を追って説明をすると、(1)クレジットカード決済でOki Dokiポイントをもらう(2)そのOki Dokiポイントを松井証券ポイントに交換し投資信託を購入(3)投資信託を持っているだけでもらえる投信残高ポイントが貯まっていく、といった具合に、うまく三つの要素が掛け合わされ、より加速度的に資産形成を進められます。そのため、よりお客様が資産形成をしやすい体制が構築できたと考えています。

<投資デビューにもおすすめ 投資に慣れていない方にこそ使ってほしいサービスに>

土居:日々のポイ活と投資をシームレスに繋ぐことで、資産形成の循環が回りやすいというところでしょうか。松井証券としては、どんな人に使ってもらいたいのか。具体的なイメージはありますか?

増田:まだ投資に慣れていない方で、まずは小額からリスク低く投資を始めてみたい方にはおすすめです。日頃の買い物で貯まるポイントであれば、余剰資金のような感覚で「まずはやってみよう」と思う方も多いのではないでしょうか。また、投資信託を保有していれば残高ベースでポイントが上乗せされるので、日々の「ポイ活」としても楽しめると思います。効率よくポイントを活用したい人におすすめです。

土居:新NISAで、これまで投資には縁遠かった人たちが投資に興味を持つようになっています。そういった方に使っていただくと非常に効果を発揮するのかなと思いました。

増田:そうなんです。クレカ積立の買付をNISA口座で行えば、買付をした運用益は非課税になります。また、当社の「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」はNISA口座での保有分も対象になるので、より効果的に資産形成ができます。今新たに投資に興味を持ってくれている方は、ぜひこのタイミングで投資デビューしていただきたいですね。

<どんなキャンペーンがある?>

土居:このサービス開始に合わせて、なにかキャンペーンなどはあるのでしょうか?

増田:交換サービスはすでに始まっていますが、クレカ積立自体は2025年5月の開始を目指しています。現在、クレカ積立のスタートダッシュが切りやすいようなキャンペーンを実施しています。「JCBオリジナルシリーズ」のクレジットカードに新規入会した方を対象に、各種条件の達成で松井証券ポイントをプレゼントし、条件を達成するごとにポイント還元率が段階的にアップし、最大で6.0%となります。

まだ詳細はお伝え出来ませんが5月のサービス開始時にも、キャンペーンの実施を考えておりますので、楽しみにお待ちください。とりわけ、クレジットカード積み立てによるポイント還元の上限金額である10万円を積立にフルに使う方などは大きな恩恵を受ける可能性が高いので、プレミアムカードでしっかりポイントを狙うのもアリだと思います。

<ポイントを通じて、未来を豊かに、投資を生活の一部に>

土居:最後に、この取り組みへの想いと今後について聞かせてください。

増田:松井証券としては、お客様の資産形成により貢献するために、投資へのハードルを下げて、最初の1歩を踏み出しやすい環境にしたいという想いがあります。投信残高ポイントもその取り組みの一例ですが、100円から積立投資を始められたり、ロボアドバイザーが無料でお客様に合ったポートフォリオを提案してくれたりと、とにかく投資を始めるハードルを下げる取り組みをしてきました。

生活の一部であるクレジットカードと連携をすることで、「このポイントで投資をしてみようかな」と感じてもらえれば、投資は生活の一部となり、最初の1歩を踏み出しやすくなると思います。日常のショッピングや体験が「現在の豊かさ」に繋がるだけでなく、そこから得たポイントが「未来の豊かさ」に繋がるという点で、非常にワクワクする取り組みだと感じています。そうして投資を皆さんの日常に近づけることで、資産形成が皆さんの未来にとっていかに重要かも伝わるはずです。

土居:貯まっているポイントを流用することで、実質的に追加で自分のお金を使わずに投資ができるわけですから、初心者にとっては敷居がぐっと下がった印象です。これから投資を始めよう、ちょっと試しにやってみようと思っている方には、ぜひお勧めしたいサービスですね。

(以上、インタビュー)

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「日頃の買い物で貯まったポイントで積立投資」というスタイルなら、投資経験のない人や、ちょっと始めてみようと考えている人にとっては、取り組みやすいサービスになっている。気軽に始めやすいだけでなく、松井証券の投信残高ポイントサービスによって、実質コストを下げながら資産形成を目指せるのも魅力だ。なお、本サービスの詳細については、こちらのページ(https://www.matsui.co.jp/company/press/2025/pr250319.html)に詳しくまとまっているのでぜひ参照していただきたい。

クレジットカード業界と証券業界の大手2社がタッグを組む「本気の取り組み」がどのような化学反応を起こすのか、今後の動きを楽しみに待ちたいところだ。本誌では今後も投資初心者のみなさんに有益な情報をどんどん紹介してゆくので期待していただきたい。

 

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