<新しい番組は「博打」>放送する必要がないほど低俗なNHKの番組とは、民放では絶対に成立しない斬新な番組である
小笠原英樹[構成作家]
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テレビの現場、すなわちテレビ番組とはどうやってできているのかを分かりやすく説明しましょう。
- まずは企画を考えます。誰が? これは主に、テレビ局の社員(だいたい制作局にいる人です)、テレビ制作会社の社員、フリーの演出家、構成作家。だいたいこのあたりでしょうか。一人で仕上げる場合もあれば、上記何人かが、共同で仕上げることもあります。これがほとんどですが、1つ忘れてました。スポンサーからの持ち込みというのもあります。
- この企画を「編成部」に提出します。編成部内に集まった企画の検討。採用基準は「視聴率をとりそうか?」「おもしろいか?」「斬新か!?」などでしょう。そうでした、この編成部の社員も企画を考えます。
もちろん、一番重視されるのは「視聴率を取れるか?」です。ここで問題となるのが、「どんな番組なら取れるのか?」という「答え」を誰も知らないことです。わかれば苦労はないのですが、視聴率を取ってる番組と似たものを作れば「そこそこの視聴率」は、期待できるのではないか? とは考えがちです。二匹目のどじょうってやつですね。
例えば、グルメものをゲーム的に展開する番組。今ならそこそこイケそうです。結果、テレビは似たような番組が並ぶことになります。余談ですが、幻冬舎の社長・見城徹さんは一番やってみたいことして「テレビ番組の編成部長だ」と言ってたような気がします。
この職務は、勘と度胸、男の心胆が試される、さながら博打のようなものです。ですから、どうかみなさん、「新しい」と思う番組は、どうか見てください。それだけの「博打」をしてるのですから。心からお願いするしかありません。
以前、ある国会議員が、
「NHKには(本人は見たことはないが)放送する必要がないほど低俗な番組がある」
と指摘したことがあります。しかし、それらは民放では絶対に成立しない斬新な番組だったのです。ひろくあまねく色々な層に番組を届けているNHKだからこそできた番組だったわけですね。
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